根管治療を途中で中断してはいけない理由を解説!

こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

根管治療を途中で中断してはいけない理由を考える女性

根管治療を始めたけれど、さまざまな理由で中断を検討する方がいるでしょう。

しかし、根管治療は途中で中断すべきではない治療です。なぜ、根管治療を途中で中断してはいけないのでしょうか。

今回は、根管治療の概要と、中断してはいけない理由を解説します。

根管治療とは?

根管治療のイメージ

根管治療とは、歯の神経におこなう治療のことをいいます。虫歯が進行し、歯の神経や血管が入っている根管に虫歯菌が侵入すると、歯の神経が壊死することがあります。

膿が溜まって、虫歯菌が血管を通って全身をめぐる可能性もあるでしょう。そのため、歯の神経まで虫歯菌が達していることが分かったら、根管治療をおこなわなくてはなりません。

根管治療が必要となるのは、歯髄炎や歯髄壊死、根尖性歯周炎の場合です。医師が根管治療が必要と判断した場合には、他の症例でも根管治療を行うことがあります。

根管治療の成功率

根管治療の成功率を確認しましょう。スウェーデンの研究データで見てみると、歯髄壊死で100%、歯髄炎で96%です。

成功率は極めて高いため、安心して治療を受けてもよいといえるでしょう。根尖病変がある場合でも、86%と成功率は高くなっています。

とくに、日本では安全性と衛生面に十分に配慮しているため、この割合よりも成功率がもっと高いといわれています。

根管治療は再治療となることも

一度根管治療を受けて根幹を取り除いたとしても、また炎症が起きた場合には再治療が必要になります。これを再根管治療と言います。

根管治療は、一度おこなったら永年しなくてよいということではない点も念頭においておきましょう。

根管治療を途中で中断するのはなぜ?

根管治療を途中で中断するのはなぜか疑問があるイメージ

根管治療は、歯科医師が完治したと判断するまでは歯科医院に通って治療を継続すべきといえます。

しかし、自ら途中で中断する方も少なくありません。根管治療を中断する方の理由は、次の通りです。

痛みがなくなったから

根管治療によって歯の根っこに溜まっていた膿や神経をとると、炎症が徐々に治まります。痛みがなくなるため、治ったと勘違いして通院をやめてしまう方がいるのです。

多くの方が、治療をしてから3日後くらいから痛みを感じなくなるとされています。痛みがなくなっても治療が完了しているわけではないので、歯科医師から指示された日程で通院しましょう。

通院の時間が取れなくなったから

仕事や育児、学業などが忙しく、通院の時間が取れなくなったことで、根管治療を途中で中断してしまう方もいます。とくに、ある程度治療が進んで気になっていた症状が落ち着くと、中断する方が多いです。

ほかのスケジュールとの兼ね合いで根管治療の優先順位が落ちてしまい、歯科通院のための時間を確保しなくなる方もいるでしょう。一度予約をキャンセルすると治療へのモチベーションが大きく低下し、中断したままになってしまう方がいるのです。

治療がもう終わったと自己判断する

歯髄をすべて取り除いて消毒をし、歯型を取れば、その時点で治療が終わったと勘違いして治療を中断する方もいます。

しかし、根管治療では、歯髄をすべて取り除いても1週間に1回のペースで消毒をする必要があります。また、新しい被せ物が完成するまで使用しているのは仮の被せ物です。型取りをしてから、正式な被せ物を装着する必要があります。

根管治療は、おおむね1~1か月半の治療期間が必要とされています。とくに、消毒しか行わないようになると「消毒だけならもう治療は終わっているのでは?」と捉えてしまうかもしれません。

根管治療を途中で中断してはいけない理由

根管治療を中断した男性

根管治療を自己判断で中断すると、さまざまなリスクが伴います。自己判断で中断せず、最後まで治療を受けましょう。

根管治療を途中で中断することでおこりうるリスクは、次の通りです。

感染を起こす

そもそも根管部分は無菌状態ですが、奥まで機械を入れ、空気に触れていることで無菌状態ではなくなります。そのため、歯髄を削り取った後は、何度も消毒して無菌に近い状態を維持しています。

この消毒は1回につき4週間程度しか効果が持続しません。途中で中断すると、無菌状態を維持できなくなります。

口の中には虫歯菌をはじめ、さまざまな菌が存在しています。それらの菌に感染する可能性が高まってしまうのです。

とくに感染する可能性が高くなるのが虫歯菌です。口の中に存在していた虫歯菌に加え、治療で完全に取り除けなかった虫歯菌が根管内に残っている可能性があるためです。

これらの虫歯菌が虫歯を再発させて、歯根のなかでじわじわと進行するリスクがあるのです。根管治療中には仮の蓋をしていますが、この蓋の効果も2週間程度といわれています。

2週間以上治療をせずに放置すると、仮の蓋の効果も失われて虫歯菌が侵入しやすくなります。根管治療を途中で中断することで、当初の予定より治療の期間が長引くでしょう。費用も時間も余計にかかることになります。

抜歯の可能性が高まる

根管治療を最後まで受ければ、根管内に薬剤をしっかり詰めます。途中で中断した場合は、神経を抜いた部分が空洞化しているため、歯質がひじょうにもろくなっており強い力に耐えられません。

根管治療を中断した状態で歯に強い力を加えると、歯根破折が起こる可能性が高まります。たとえば、硬いものを食べたり、歯ぎしりをしたりといった衝撃で、歯根破折を起こすリスクが高まるのです。

歯根破折を起こすと、歯を残存させることがむずかしくなります。残せないと判断されれば、抜歯が必要となるでしょう。

抜歯をすれば、その部分にほかの治療をする必要も出てきます。入れ歯やブリッジ、インプラントなど、歯を補うための治療費がかかります。

被せ物があわなくなる

根管治療後は歯型を取り、型にあわせた被せ物が作られます。

しかし、途中で根管治療を中断すると、歯の状態が変わってしまいます。型取りをして製作していた被せ物があわなくなる可能性があります。

被せ物があわなくなれば再度作成しなければならないため、費用もかさみ、時間もかかってしまうでしょう。

根管治療を途中で中断した場合は早めに再開を

根管治療を途中で中断したときの対処法を説明

根管治療の自己中断は避けたいですが、さまざまな理由で中断せざるを得ないこともあるかもしれません。中断せざるを得ない状況になった場合には、早めに再開しましょう。

できれば1か月以内に再開することが望ましいといわれています。早めに再開すべき理由は、次の通りです。

治療の成功率があがる

治療を早く再開すれば成功率があがります。前述したように、根管治療は一般的に成功率の高い治療方法です。

しかし、放置して病状が悪くなれば、治療の難易度も高まるでしょう。状態が悪化しないうちに早めに治療を再開してください。

抜歯のリスクが低下する

根管治療を中断すれば、状態がどんどん悪化していくため、抜歯をするリスクが高まります。

虫歯が歯の根元で悪化することはもちろん、中断している間に本来の根管とは違う場所に道ができて治療が困難になるケースもあります。抜歯をする以外に治療方法がなくなるケースもあるでしょう。

すみやかに治療を再開すれば自身の歯を温存できるでしょう。抜歯になれば、治療期間がさらに延びて費用もかかります。

短い治療期間で終わりたい、費用を極力抑えたいという方は、早めに根管治療を再開すべきと言えるでしょう。

まとめ

根管治療の説明

今回は、根管治療の概要と中断してはいけない理由を解説しました。

根管治療によって歯の神経をとって痛みがなくなれば、中断する方がいるかもしれません。治療の優先順位が下がり、仕事や家事などが忙しくなって通院できなくなることもあるでしょう。

根管治療は完全に治療を終了するまでは1か月近くかかります。歯型をとって作った被せ物をするところまでが根管治療です。

自己判断で中断すると歯にさまざまな影響が出てしまい、最終的にせっかく残していた歯を抜歯せざるを得なくなる可能性もあります。治療の期間や費用が当初予定していたよりもさらにかかることもあり、負担が増してしまうでしょう。

やむを得ない事情で治療を中断した場合でも、なるべく早く再開してください。 根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。