根管治療をしないとどうなる?治療が必要なケースも解説!
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
根管治療を行うには、前歯は3回程度、奥歯は5~6回程度の通院が必要です。痛みや不便なことが特になければ、治療や通院の負担を思って放置するということもあるかもしれません。
根管治療をせずにそのままにしておくと、どうなってしまうのでしょうか。また、どのような状態だと根管治療が必要なのでしょうか。
今回は、根管治療の必要性について解説します。
目次
根管治療とは?
歯の神経を除去する治療、歯の根っこの治療とも呼ばれている根管治療は、歯を残すために行う最後の治療です。具体的には、神経や血管を含む組織である歯髄を取り除き、その後に薬剤を使って根管内を洗浄・消毒し、歯科治療専用のシーリング剤を根管内に充填します。
一度根管治療を行っても、細菌に侵されている組織を除去しきれなかった場合や、再度感染した場合、再び根管治療が必要になるケースも少なくありません。根管治療を繰り返すとどんどん難易度が上がって成功率が下がるので、最終的には抜歯が必要になるでしょう。
根管治療は通常は保険診療ですが、自由診療の根管治療もあります。自由診療では、目視が難しい患部を鮮明な映像で見られる拡大鏡や、患部への唾液や細菌の侵入を防ぐラバーダム、根管内を傷つけずに汚染を取り除きやすいニッケルチタン製ファイルなどの使用が可能です。
根管治療が必要なケース
根管治療が必要となる病状は、以下の通りです。
歯髄炎
歯髄とは、歯の神経組織のことを指します。歯髄は歯の中心にあり、ここまで虫歯が進行すると歯髄炎を発症します。
歯髄炎になっても、炎症が正常に回復すれば問題ありません。回復しない場合は根管治療をすることになります。
歯髄壊死
壊死は、組織や細胞が死んでしまった状況を指します。歯髄壊死は歯髄が死んだ状態で、回復することはないので根管治療を行う必要があります。
根尖性歯周炎
根尖性歯周炎は、歯髄よりさらに症状が進み骨の中まで炎症している状態です。虫歯を治療せずに放置し続ければ、根尖性歯周炎を引き起こします。一度根管治療を行った後に、根尖性歯周病になることもあります。
歯の破折
何らかの理由で口元に強い衝撃を受けた時、歯が割れたり折れたりすることがあります。軽度であれば修復できることもありますが、歯髄が露出するほど大きく割れた・折れた場合は根管治療が必要になるでしょう。
露出した歯髄は細菌に感染しやすいため、そのまま放置することはできません。
過去の治療が不適切だった
大きな詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が必要なほど歯を削った場合、治療の際に歯髄にダメージを与えてしまうことがあります。これが原因で歯髄が死んだ場合、根管治療が必要になります。
根管治療が必要な状態とは?
根管治療が必要な状態としては、冷たいものや熱いものがしみる場合や、歯を噛み合わせると痛む場合、歯茎が腫れている場合などが挙げられるでしょう。特に何もしていなくても歯や歯茎が痛む時や、歯が変色してきた時も根管治療が必要かもしれません。
上述した症状がある場合、虫歯や歯周病が進行している可能性があります。根管治療が必要かどうかは歯科医師が判断しますが、放置しても改善することはないので必ず歯科医院を受診しましょう。
根管治療が必要になるのは、歯の内部の歯髄に問題が発生した時です。雌蕊には神経や血管があるので、歯にとって非常に重要な場所といえます。
歯髄が炎症を起こしたり感染症にかかったりした時は、根管治療が必要になるのです。ご自身で根管治療の必要性を判断するのは難しいので、痛みや違和感がある時は歯科医院を受診して相談しましょう。
一時的に痛みがなくなることもある
根管治療が必要な状態でも、痛みを感じなくなるタイミングがあります。歯髄壊死まで進行すると、神経が死ぬので痛む・しみるなどの症状を感じられなくなるのです。
しかし、症状が改善されたわけではありません。歯は黒っぽく変色し歯茎も赤黒くなるでしょう。痛みがないので治療の必要はないと感じるかもしれませんが、感染は広がっています。
根尖性歯周病まで進行すると、再び痛みを感じるようになります。物を噛むと痛み、歯茎が腫れて膿がでてくることもあるでしょう。
「痛みや違和感が続いていたのにいつの間にかなくなった」というときは、根管治療が必要な可能性があります。神経が死んで痛みを感じられなくなっただけで問題がなくなったわけではないので、必ず歯科医院を受診してください。
根管治療をしないとどうなる?
根管治療を受けなければさまざまな問題に発展します。根管治療をしなければどうなってしまうのか、詳しく確認しましょう。
炎症が広がる
根管治療を受けるべきなのに放置した場合、歯髄の感染が根管内に留まらず周囲の骨や組織に広がる可能性があります。歯を支える骨が徐々に破壊されるので、最終的には歯の喪失につながります。
炎症が広がったことで、歯や歯茎の周囲に膿瘍(のうよう)が形成されることもあります。膿瘍とは、膿が溜まった状態のことです。強い痛みを伴うだけでなく、顔の腫れや発熱を引き起こすこともあります。
痛みが強くなる
根管治療を避けると、慢性的に痛みや不快感が生じるようになるでしょう。痛みは日々の活動に影響を及ぼし、睡眠障害や集中力の低下など生活の質を大きく低下させるかもしれません。
放置し続けると、痛みはどんどん強くなるでしょう。
歯がもろくなるので、強く噛むこともできなくなります。強く噛めないこと、痛みが強いことから、十分に食事できなくなる可能性も否定できません。
全身の健康に影響を及ぼす
口内の健康は、全身の健康に直結しています。特に、歯周病と糖尿病は深い関係があることがわかっており、片方が悪化するともう一方も悪化しやすいとされています。
他にも、炎症が広がって細菌が血流を通じて全身に運ばれると、さまざまな影響を及ぼします。心疾患や糖尿病だけでなく、妊婦の場合は早産や低出生体重児のリスクが高まるとされているのです。
見た目が悪くなる
根管治療を受けずに歯髄が死んでしまった歯は、徐々に色が変わります。黒っぽく変色したり、茶色っぽく変色することが多いです。
奥歯の場合はそこまで目立たないかもしれませんが、前歯に近ければ近いほど口を開けた際に目立つでしょう。人前で笑えない、会話の際に口元を隠すなど、コミュニケーションに支障をきたすこともあるでしょう。
まとめ
根管治療は多くの患者さんが受ける治療ですが、最終的に歯を残せるかどうかを決める非常に重要な治療です。歯髄が感染したり炎症を起こしたりした際に行われ、適切に進めば感染の拡大を防いで歯の機能を維持できるでしょう。
歯を失うことで起こる歯茎・顎の骨が痩せる現象を防ぐなど、美容上の問題を避ける治療ともいえます。
虫歯になった場合、そのまま置いておくとどんどん悪化していきます。自然とよくなっていくことはありません。
根管治療が必要なほど重度の問題でも、神経が死んで一時的に痛みがなくなることがあります。そのため、治療の必要はないと思って根管治療を受けずに放置する方もいるかもしれません。
しかし、根管治療を受けないでいると感染が進行し、慢性的な痛みや膿瘍の形成、全身疾患のリスクの増加につながります。
歯の痛みや不快感が一時的なものなのか、治療が必要な病気によるものなのか、ご自身で判断するのは難しいでしょう。根管治療が必要なのに放置するとさまざまな問題につながるため、痛みや違和感がある場合は必ず歯科医院を受診してください。
また、根管治療によってなんとか歯を残せても、根管治療が必要な状態になった時点で歯の寿命は短くなっているといえます。根管治療を受けるほど悪化する前に、トラブルを予防していくことが大切といえます。
根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。