子どもは虫歯になりやすいって本当?虫歯になった乳歯を放置するリスクも
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

子どもは甘いものが好きなことが多いです。そのうえ、大人のように上手に歯磨きができないため、虫歯にならないか心配だという保護者の方も多いでしょう。実際のところは、子どもは虫歯になりやすいのでしょうか。
また、乳歯が虫歯になったとしても、あとから永久歯に生えかわるからと放置している方もいるかもしれません。乳歯を放置するとどのようなリスクがあるのかも気になるところです。
今回は、子どもは虫歯になりやすいかどうかについて詳しく解説します。乳歯の虫歯を放置するリスクや虫歯の予防法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
虫歯のメカニズム

虫歯の原因菌であるミュータンス菌は糖分をエサにして歯の表面に増殖し、粘着性のある物質を作ります。これが歯垢(プラーク)です。
プラーク内の細菌は糖分を分解して酸を作り出します。この酸によって、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出します。この現象が脱灰です。
唾液には酸を中和する働きや、溶け出したミネラルを歯に戻す再石灰化を促す働きがあります。酸が少なく、唾液の分泌が十分であれば、脱灰と再石灰化のバランスが保たれ、歯は自然に修復されます。
しかし、唾液の分泌量が少なかったり、歯磨きが不十分だったりすると再石灰化が追いつきません。その結果、歯の表面が溶けていくのです。
脱灰が続くと、歯の表面に白く濁った部分やツヤのない部分が現れはじめます。初期の段階であれば、適切な歯磨きやフッ素塗布などによって再石灰化を促進することで、歯を元の状態に戻すことができます。
しかし、進行するとエナメル質に穴が開き、象牙質、さらには歯の神経にまで虫歯が達します。虫歯が進行するほど大掛かりな治療が必要になり、場合によっては抜歯をしなければならないこともあります。
子どもは虫歯になりやすいって本当?

子どもが虫歯になりやすいというのは本当です。ここでは、なぜ子どもが虫歯になりやすいのか解説します。
乳歯はエナメル質が薄いため
乳歯のエナメル質は永久歯のエナメル質に比べて薄いので虫歯になりやすく、進行が早い傾向があります。また、象牙質も柔らかいです。永久歯では虫歯が神経に到達するまでに1年ほどかかるのに対して、乳歯では5〜6か月で神経に達することもあります。
乳歯は奥歯の溝が深いため
乳歯の奥歯は溝が深く、食べかすやプラークがたまりやすい形状をしています。奥歯の溝には歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れを除去しにくいため、虫歯のリスクが高まります。奥歯の汚れを目で見て確認するのは難しく、磨き残しが生じやすいため、虫歯になりやすいのです。
歯磨きが不十分になりやすいため
子どもにとって自分で上手に歯磨きを行うのは難しいことです。永久歯に生えかわる時期には歯が不揃いなことも多いため、磨き残しが生じやすいでしょう。特に奥歯や歯と歯の間は磨きにくく、プラークがたまりやすいです。
保護者の方が仕上げ磨きを行わないと虫歯になるリスクが高まります。
甘いものを好むため
子どもは甘いお菓子やジュースを好む傾向があります。なかでも飴のように長時間口の中にとどまるお菓子は虫歯の原因になりやすいです。また、スポーツドリンクや乳酸菌飲料など、健康的なイメージのある飲み物にも糖分が多く含まれています。
糖分によって口の中が酸性に傾くことで虫歯になるリスクが高まるのです。
虫歯菌への感染
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には虫歯菌は存在しません。
しかし、保護者の方や周囲の人との接触を通じて虫歯菌に感染することがあります。スプーンの共有や、食べ物の口移しなどが感染の原因です。虫歯菌に感染すると虫歯になるリスクが高まります。
虫歯になった乳歯を放置するリスク

虫歯になった乳歯を放置すると、次に挙げるようなリスクが生じます。
虫歯菌が増殖する
虫歯を放置すると、口腔内の虫歯菌が増殖します。放置することで、ほかの健康な歯にも虫歯が広がるリスクが高まります。虫歯菌が食べかすを分解するときににおいを発すると、口臭の原因にもなります。
乳歯の根の先に膿がたまる
虫歯が進行すると歯の神経にまで感染が広がり、根の先に膿がたまることがあります。これによって、歯ぐきが腫れたり、痛みが生じたりすることもあるでしょう。歯の根の先に膿がたまることで、下に控えている永久歯の発育にも悪影響が及ぶ可能性もあります。
永久歯の歯並びに悪影響を及ぼす
乳歯の虫歯を放置すると、進行して早期に抜けることがあります。乳歯は、永久歯が正しい位置に生えるためのガイドの役割を担っています。
しかし、乳歯を早期に失うと隣接する歯が移動して、永久歯が生えるスペースがなくなると、歯並びが悪くなる可能性があるのです。
永久歯の形成に悪影響を及ぼす
乳歯の虫歯を放置すると下に控えている永久歯のエナメル質の形成に悪影響を及ぼすことがあります。その結果、永久歯が変色したり、表面がざらついたり、欠けやすくなったりすることがあるのです。
子どもの虫歯を予防する方法

上述のとおり、乳歯が虫歯になるとさまざまなリスクがあります。そのため、しっかり予防することが大切なのです。ここでは、子どもの虫歯を予防する方法をご紹介します。上手に取り入れて、虫歯を予防しましょう。
正しい歯磨き習慣を身につける
正しい歯磨き習慣は虫歯予防の基本です。特に就寝前の歯磨きは徹底して行いましょう。睡眠中は唾液の分泌量が減少し、自浄作用が弱まるためです。
3歳以下のお子さんの場合は保護者の方が歯を磨いてあげましょう。4歳くらいから子どもが自分で磨いたあとに保護者の方が仕上げ磨きを行います。仕上げ磨きは10~12歳くらいまで継続することが推奨されます。
食習慣を改善する
砂糖の多い食品や飲料は虫歯の原因になります。完全に禁止する必要はありませんが、頻度や量を制限することが大切です。例えば、お菓子はおやつの時間に限定するなどです。
時間を決めずにお菓子を長時間食べ続けるのはやめましょう。この食べ方はだらだら食いと呼ばれ、歯のエナメル質が長時間酸にさらされるため、虫歯になるリスクが高まります。
フッ素を活用する
フッ素には歯のエナメル質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する働きがあります。初期の虫歯であれば、フッ素の働きによって再石灰化を促すことも可能です。ふだんの歯磨きにフッ素配合の歯磨き粉を使用することで虫歯の予防につながります。
また、歯科医院でフッ素塗布を受けることも効果的です。歯科医院では高濃度のフッ素を使用するため、より強い保護効果を期待できます。一般的に3〜4か月に1回程度の頻度でフッ素塗布を受けることがすすめられます。
シーラント処置を受ける
シーラントは、奥歯の溝を特殊な樹脂でコーティングする処置のことです。奥歯には深い溝があります。歯ブラシの毛先が届きにくいため、食べかすや細菌が溜まりやすく、虫歯になるリスクが高い部位です。
この溝を特殊な樹脂で埋めることで、細菌の侵入や食べかすの蓄積を防ぎます。これによって、虫歯になるリスクを軽減できるのです。
定期的に歯科検診を受ける
子どもの虫歯を予防するためには、定期的に歯科検診を受けることが欠かせません。歯科検診を受ける理想的な頻度は3〜4か月に1回とされています。歯科検診を始めるタイミングは1本目の歯が生えたとき、もしくは1歳の誕生日を迎えたとき、などが推奨されています。
歯科検診では、虫歯の有無だけでなく、歯並びや噛み合わせなどもチェックします。虫歯を予防するために、フッ素塗布や歯磨き指導も行われます。
子どもが歯科医院を怖がるときは、子ども向けの設備が充実した歯科医院を選ぶとよいでしょう。待合室におもちゃや本があったり、診療室が明るく楽しい雰囲気だったり、子どもへの対応に慣れたスタッフがいたりと、子どもの不安を和らげる工夫がされています。
歯科検診で小さな問題を早期に発見することで、大がかりな治療を回避し、子どもの負担や家庭の経済的負担を軽減できます。
まとめ

子どもは虫歯になりやすいです。甘いものを好んで食べる習慣があると、虫歯になるリスクが高まります。また、乳歯のエナメル質は薄く、奥歯の溝は複雑なので、虫歯になりやすいのです。
虫歯になった乳歯を放置すると虫歯菌が増え、ほかの歯も虫歯になるリスクが高くなります。進行すると歯の根元に膿がたまったり、乳歯が早く抜け落ちたりすることもあります。これによって、永久歯の歯並びや形成に悪影響を与える可能性もあるのです。
しっかりと歯磨きをすることに加えて、歯科医院でフッ素塗布やシーラント処置を受けることで虫歯を予防できます。子どもの虫歯を予防したいとお考えの方は、早めに歯科医院を受診して相談しましょう。
お子さんのお口の健康を守りたいとお考えの保護者の方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。