前歯の神経を抜く必要があるケースとは?メリットとデメリットも紹介
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
何もしていなくても前歯がズキズキと強く痛むと「神経を抜かなければならないのか?」「どのような治療をするの?」と気になる方もいるでしょう。前歯の神経を抜くことにはメリットもありますが、デメリットもあります。
そこでこの記事では、前歯の神経を抜く必要がある5つのケースとメリット・デメリットについて解説します。前歯の神経を抜いたあとの治療法についても言及していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
前歯の神経の治療とは
虫歯などで歯の神経に炎症が起きた場合、歯の根の中の神経を取り除き、洗浄・消毒する治療のことを根管治療といいます。
虫歯や事故などで前歯の神経に炎症が起こると、何もしなくてもズキズキ強く痛むことがあります。歯の神経の炎症は自然に治ることがないため、神経を取り除かなければならない場合があります。
特に、大きな虫歯で神経に炎症が起きた場合、神経だけでなく歯の根元付近まで侵入した細菌や汚染物も洗浄・消毒する必要があります。歯の神経は複雑な形をしているため、1回の治療では終わらず、複数回かかるのが一般的です。
ただし、奥歯は歯の根が2~4本あるのに対し、前歯の歯の根は1本しかありません。そのため、奥歯よりも前歯の神経の治療のほうが短期間で終了するケースもあるでしょう。
前歯の神経を抜く必要があるケース
ここでは、前歯の神経を抜く必要があるケースを解説します。
自発痛がある
自発痛とは、何もしていなくてもズキズキとした強い痛みがあることです。大きな虫歯などが原因で前歯の神経に炎症が起こると、安静にしていても我慢できないほどの痛みを伴う場合があります。
自発痛が起こる前には、冷たいものがしみたり噛むと痛みが出たりなど、さまざまな症状があります。虫歯は大きくなればなるほど重症化するため、症状に気付いた時点で歯科医院を受診して治療を受けることが大切です。
温かいものがしみる
小さな虫歯や知覚過敏などで、冷たいものがしみる場合があります。
しかし、冷たいものだけでなく温かいものを口にしたときに前歯が痛む場合は、神経まで炎症が広がっている可能性があります。放置すると強い痛みが出る可能性があるため、虫歯の部分を削るだけでなく、神経の治療が必要になるケースもあるでしょう。
歯茎から膿が出る
虫歯には段階があり、初期段階は歯の表層のみに虫歯が起こりますが、重症化すると歯の神経から根の先まで炎症が広がります。歯の根元まで炎症が広がると、根の先に膿が溜まり、溜まった膿が歯茎から排出されることがあるのです。
このような場合、歯茎が大きく腫れあがることでズキズキ強く痛むことがあります。特に上の前歯の場合、根の先端は鼻の下あたりにあるため、鼻の下から唇側まで大きく腫れることがあるでしょう。このような場合には、前歯の神経を抜くことがあるのです。
前歯に強い衝撃を受けた
神経の治療が必要になるのは虫歯だけではありません。転んで前歯をぶつけたり、スポーツなどで強い衝撃を受けたりすると前歯を損傷することがあります。前歯を損傷すると神経の治療が必要になるケースがあるのです。
特に、交通事故などによって前歯が大きく欠けると、神経を取らざるを得ないこともあります。また、事故の直後は問題なくても、時間が経ってから神経が壊死することもあるでしょう。
前歯が黒く変色した
前歯を損傷した場合、歯が大きく欠けなくても徐々に壊死することがあります。歯が壊死すると、灰色もしくは黄みがかったように変色することがあるのです。歯の変色によって壊死していることに気付くことも少なくありません。
特に、前歯は見た目に関わる大事なパーツですので、前歯に変色が見られたら神経の治療が必要になる場合があるでしょう。
前歯の神経を抜くことのメリット
ここでは、前歯の神経を抜くメリットについて解説します。
痛みがなくなる
歯の神経を抜くと痛みがなくなります。前歯の神経に炎症が起こると、ズキズキと脈打つような強い痛みを感じます。痛みの程度には個人差がありますが「寝られないほど痛い」「仕事や勉強に集中できない」など日常生活に支障をきたすほどの痛みだといわれています。
原因である前歯の神経を抜くことで、強い痛みから解放されるでしょう。
歯を残せる可能性が高まる
歯の神経を抜くことで歯を残せる可能性が高まります。前歯の神経に炎症が起こると、最初はズキズキとした痛みがあるものの、神経が壊死すれば痛みはなくなっていきます。
しかし、痛みがなくなったからといって治ったというわけではありません。痛みがないまま虫歯が進行すると、最終的には抜歯せざるを得ないこともあるのです。症状に気付いた時点で前歯の神経の治療を開始していれば、歯を残せる可能性が高まります。
歯を抜くと周りの歯にも影響が出ることがあるため、前歯の両隣の歯を守るためにもなるべく早く治療を開始するのがよいでしょう。
前歯の神経を抜くことのデメリット
前歯の神経を抜くことで歯を残せる可能性が高まるものの、さまざまなデメリットも存在します。
ここでは、前歯の神経を抜くデメリットについて解説します。
前歯がもろくなる
歯の神経の治療では、神経や血管が通った根管という管の中を洗浄・消毒します。神経を抜くと歯に血液や栄養が供給されなくなるため、健康な歯よりももろくなるのです。
いわば神経を抜いたあとの歯は枯れ木のような状態であるため、硬いものを噛むと前歯が割れることもあるでしょう。
前歯が変色する可能性がある
前歯の神経を抜くと、暗く変色する可能性があります。歯の神経を抜くということは歯の血管も抜くということです。歯の血管を抜くと新陳代謝がなくなるため変色することがあるのです。
神経の治療後に前歯が変色した場合、歯磨きやクリーニングなどでは歯を白くできません。変色した歯を白くしたい場合、ウォーキングブリーチで歯の中から白くしたり、被せ物(クラウン)を装着したりする治療が必要になるでしょう。
感覚がないのでトラブルに気付きにくい
歯の神経を抜くと感覚がなくなります。冷たいものがしみたり噛むと痛んだりすることで、虫歯に気付くことができますが、神経を抜いた歯は感覚がないため、虫歯に気付きにくいのです。
また、感覚が鈍いことで強く噛んでしまい、前歯が欠けたり割れたりすることもあります。そのため、前歯の神経を抜く治療を受けたあとは、何も症状がなくても定期的に検診を受けることが大切なのです。
再治療が必要になることがある
歯の根の形は複雑であるため、神経の治療を行っても根管内で細菌が繁殖し、虫歯が再発することがあります。
根管内で細菌が繫殖すると、神経がないため歯の痛みはないものの、歯茎に違和感をおぼえたり膿が溜まったりすることがあります。前歯の根の先まで細菌が到達すると、顎の骨を溶かすこともあるため、再度神経の治療が必要になるのです。
再治療の場合、細菌や汚染物にくわえ、以前詰めた薬剤も除去する必要があるため、初回の神経の治療よりも長期化しやすいでしょう。
前歯の神経を抜いたあとの治療法
前歯の神経を抜いたあとは、歯の土台を立て、被せ物(クラウン)をするのが一般的です。
前歯の神経を抜いたあとの治療の手順は、以下の通りです。
- 土台を立てる
- 土台と歯の形を整える
- 被せ物(クラウン)の型取りをする
- 被せ物(クラウン)を装着する
虫歯や外傷で大きく歯が欠けたことが原因で前歯の神経を抜いた場合、歯の大部分を失っていることがほとんどです。そのままでは耐久性がないため、補強のために土台を立てる必要があります。
土台を立てたあとは、土台と歯の形を整え、被せ物(クラウン)の型取りを行います。土台や被せ物(クラウン)には保険と自費のものがあり、金属やプラスチック、セラミックなど種類はさまざまです。前歯であれば、保険でも白い被せ物(クラウン)を選択できます。
しかし、経年劣化により黄ばんだり、金属が溶け出すことで歯茎が黒ずんだりするのがデメリットです。
自費の被せ物(クラウン)の費用は高額ですが、見た目がよいのはもちろん、機能性にも優れています。前歯は人の印象を左右する大事なパーツですので、メリット・デメリットを比較したうえで素材を検討するのがよいでしょう。
まとめ
前歯の神経を抜く必要があるケースは、何もしなくても前歯が強く痛んだり、膿が出たりしたときです。また、交通事故やスポーツなどで前歯に強い衝撃を受けたときも、神経の治療が必要になることもあります。
前歯の神経を抜くことで歯はもろくなるものの、前歯を残せる可能性が高まります。神経の炎症を放置することで抜歯せざるを得ないこともあるため、なるべく早く治療を開始することが大切です。
根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。