根管治療にかかる期間はどれくらい?長い理由も詳しく解説!
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
虫歯が大きく進行して神経を取らないといけない場合や、歯の根っこが炎症を起こしている場合は、根管治療が必要です。
小さな虫歯であれば1日で治療が完了することもありますが、根管治療を行う場合は長い治療期間が必要であり、通院回数も多くなります。根管治療には数週間、長い場合は数か月かかることも珍しくありません。
今回は、根管治療にかかる期間や根管治療が長い理由を解説します。
目次
根管治療とは?
根管治療とは、神経や血管が通っている歯の根っこ(根管)の中の神経を除去して、洗浄・消毒を繰り返してきれいにする治療です。
早期に治療ができずに虫歯が大きくなると、虫歯菌が歯の神経にまで達してズキズキと痛みを感じます。さらに細菌が根管にまで入り込むと、腫れたり膿が溜まったりすることがあります。
この状態になると、根管治療を行わないと痛みや腫れが治まりません。そのまま放置していると神経が死んで痛みを感じなくなることもありますが、虫歯は進行しつづけるため歯や骨が溶けて、最終的には歯を失うことになるでしょう。
根管治療を行うことで痛みや腫れが治まり、虫歯や細菌感染の再発を防げるのです。細菌の除去や洗浄・消毒が不十分な場合は、再び細菌感染を起こして再治療が必要になることがあるため、丁寧に時間をかけて治療する必要があります。
根管治療にかかる期間はどれくらい?
根管治療にかかる期間は、患者さんの歯の状態によって異なります。
しかし治療期間が短い場合でも数週間は必要なことが多く、治療期間が長い場合は半年近くかかります。とくに、根管の状態が悪いと治療が長引く傾向にあります。
虫歯が深くまで進行して神経が死んだ状態で長いあいだ放置していた場合や、根っこに膿が溜まって腫れや痛みが出ていても我慢していた場合などは、治療期間が長くなるでしょう。根管内の細菌感染が酷い場合は、数回治療を行っただけでは細菌や膿を除去しきれないからです。
根管治療の期間が長い理由
根管治療の期間が長い理由は、以下の3つです。
- 根管内は目で見えないため
- 根管内は複雑な形状のため
- 根管内を念入りに殺菌するため
詳しく解説します。
根管内は目で見えないため
根管は非常に細く枝分かれしているため、目では根管の入り口しか見えません。レントゲンである程度の予測はできますが、実際の構造や状態を視認することはできないのです。
根管の入り口から専用の器具を使用して根管の中をきれいにしますが、組織を傷つけないように慎重に手さぐりで作業を進めるため時間がかかります。長時間口を開けていることは負担になるため、少しずつ治療を進める必要があります。
根管内は複雑な形状のため
根管内は複雑な形状をしています。枝分かれしている場合や歪んでいる場合など、患者さんや歯によって形状が異なります。奥歯の場合は1本の歯に根管が3~4本あり、そのすべての根管をきれいにする必要があるため時間がかかるのです。
奥歯は見えにくく作業しづらいため、治療の難易度が高くなり時間もかかるでしょう。複雑な形状の細く傷つきやすい根管をきれいにする根管治療は、時間がかかる大変な作業なのです。
根管内を念入りに殺菌するため
根管治療では、根管内に薬剤を詰めて仮封することで少しずつ根管内を殺菌していきます。強い薬剤は歯や口腔内の組織に強いダメージを与える恐れがあるため、副作用の少ない薬剤で少しずつ殺菌する必要があります。
この殺菌作業を何度も繰り返すため、治療期間が長くなるのです。根管内に少しでも細菌が残っていると再び細菌感染を引き起こす可能性があるため、念入りに十分な洗浄と殺菌を行う必要があります。
根管治療の流れ
根管治療の流れは、以下のとおりです。
- レントゲンで歯の状態を確認する
- 麻酔をして歯を削る
- 専用の器具で神経を除去する
- 根管内を洗浄する
- 根管内に消毒薬を詰めて仮封する
- 根管を充填する
- レントゲンで確認する
- 土台を作る
- 被せ物(クラウン)を作る
詳しく解説します。
1.レントゲンで歯の状態を確認する
まずはレントゲンで問題がある歯の状態を確認します。明らかに大きな虫歯があったり腫れたりしている場合は治療が必要な歯がすぐにわかりますが、レントゲンを撮影して初めて問題が発覚するケースもあります。
根管の形状を把握するためにも、レントゲン撮影は大切な工程です。
2.麻酔をして歯を削る
神経が残っている歯の根管治療は、初めに麻酔をしてから治療を始めます。歯に穴をあけて歯髄(歯の神経の部分)を露出させ、虫歯がある場合はその部分を削ってきれいに取り除きます。
少しでも多く健康な歯を残すために慎重に削っていきます。
3.専用の器具で神経を除去する
リーマーやファイルと呼ばれる専用の細い器具で、感染した根管内の神経や血管をかき出して除去します。根管内を傷つけないように注意しながら、取り残しがないように治療を進めます。
同時に根管内の拡大をしながら根管の形成を行います。
4.根管内を洗浄する
リーマーやファイルで根管内をきれいにした後は、根管内に残った汚れや膿を洗浄します。薬剤を使用してきれいに洗い流します。
5.根管内に消毒薬を詰めて仮封する
根管内に消毒薬を詰めて仮封し、1週間ほど様子をみます。1週間おきに上記の工程を繰り返し、根管内が完全にきれいになるまで続けます。
6.根管を充填する
根管内が完全にきれいになったことを確認したら、空洞になった根管に樹脂状の薬を隙間なく充填します。隙間なく充填することで、根管内に再び細菌が入ることを防ぎます。
7.レントゲンで確認する
根管を充填したら、根の先まできちんと薬が入っているかどうかをレントゲンで確認します。薬剤が根の先まで入っていなかったり、隙間が開いていたりする場合は充填をやり直す必要があります。
きちんと充填できていることを確認できれば、根管治療は完了です。
8.土台を作る
根管治療が完了した後は、歯の土台を整えます。最終的に装着する被せ物(クラウン)が安定するように、歯を削った部分を埋めたり根管に芯を立てて土台を作ります。
9.被せ物(クラウン)を作る
土台が完成したら、形を整えて被せ物(クラウン)の型取りを行います。型取りした被せ物(クラウン)が出来上がれば装着し、治療が終了です。
治療期間が長くても根管治療を受けるべき理由
根管治療の工程を見ても分かるように、根管治療には長い治療期間が必要です。根管治療が完了したあとも、以前と同じように噛めるようにするには被せ物(クラウン)を作製する工程が必要なため、長く通院しなければならないでしょう。
しかし、根管治療を途中でやめてしまうと、数年後に根管に膿が溜まるなど再感染を引き起こす可能性が高くなります。
神経を除去した歯は、健康な歯に比べて寿命が短い傾向にあります。きちんと根管治療を終わらせていない場合は、虫歯や感染の再発により歯の寿命が大きく縮むかもしれません。
歯を失うことにもなりかねないので、治療期間が長くても根管治療は最後まで受けるべきでしょう。
まとめ
根管治療は複雑で繊細な治療であるため、どうしても治療期間が長くなります。
虫歯が歯の神経まで達した場合や、一度でも根管の細菌感染を引き起こした場合は根管治療を行う必要があります。痛みや炎症が酷い場合は、根管から細菌を完全に除去するのに時間がかかるため、治療期間も長引くでしょう。
なるべく早く問題を発見して治療を始めることで、根管治療の期間を短くできることがあります。
根管治療が必要であるにもかかわらず治療をせずに放置したり、根管治療の途中で通院をやめたりすることは避けてください。歯の寿命を縮めることにつながり、最悪の場合は歯を失う可能性があります。
日頃から虫歯や歯周病などの口腔トラブルに気をつけ、定期的に歯科医院を受診することを心がけることが大切です。
根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。