妊娠性歯肉炎とは?

こんにちは。
文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は、妊婦さんがなりやすい妊娠性歯肉炎について説明します。

妊娠性歯肉炎とは?

江戸川橋 歯医者 妊娠性歯肉炎とは? 江戸川橋菊地歯科医院

妊娠すると、ホルモンバランスの変化により歯ぐきが「赤くなる」、「腫れる」、「出血する」など歯周病の症状が現れることがあります。歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)が溶ける病気ですが、妊娠性歯肉炎の場合はそこまで重度になることは少ないとされています。多くの場合は、妊娠5~20週から症状が顕著に現れるようになります。その他の原因として、つわりによる不規則な食生活、不十分な口腔ケア(歯磨きなど)があげられます。

妊娠後は、食の好みも変化し甘いものを頻回に摂取する機会が増えるため、口腔内の環境は妊娠前と大きく変化するのです。

早産、低体重児出産の原因に!

江戸川橋 歯医者 早産、低体重児出産の原因に! 江戸川橋菊地歯科医院

日本歯周病学会の報告によれば、歯周病になると「早産」、「低体重児出産」のリスクが増加するそうです。
歯周病が進行すると、歯周病菌からの毒素や歯ぐきにおこる炎症により、サイトカインやプロスタグランジンという物質が産出されると、それらが毛細血管を伝って子宮に到達します。
プロスタグランジンは、分娩の合図となるホルモンで出産時には通常の10~30倍程度多く分泌され、子宮を収縮させる働きがあるため誤った信号として身体が受け取ることで早産になってしまうことがあります。

妊娠中の治療はどの時期が望ましい?

江戸川橋 歯医者 妊娠中の治療はどの時期が望ましい? 江戸川橋菊地歯科医院

本来であれば、妊娠前から常にお口の環境を整えておく必要があります。
一方、妊娠してから歯科治療を受ける際は安定期とされる妊娠5~7カ月(妊娠16~27週)が望ましいとされています。また妊娠8カ月を経過すると胎児が大きくなり、母体への負担が大きくなるため安定期間内でも治療をおすすめします。
そして妊娠中に治療を受ける際は、必ず担当医に妊娠何週なのかを伝えるようにして下さい。

歯科治療は胎児に問題ないのか?

①X線検査(レントゲン撮影)

江戸川橋 歯医者 X線検査(レントゲン撮影) 江戸川橋菊地歯科医院

日本産婦人科学会の報告によると、50mGy(ミリグレイ)未満の被ばく量は問題ないとされているため、歯科治療時おけるX線を使用した検査は、胎児に奇形を及ぼすことはありません。

②麻酔をしても問題ないのか?

江戸川橋 歯医者 麻酔をしても問題ないのか? 江戸川橋菊地歯科医院

歯科で主に使用される麻酔薬(キシロカイン:商品名)にはリドカインが含まれています。

局所麻酔として使用するため胎盤を通過して胎児に届くことはなく、奇形を及ぼすという報告もありません。また、キシロカインは無痛分娩でも使用される薬剤であり問題はありません。

③飲み薬は大丈夫なのか?

江戸川橋 歯医者 飲み薬は大丈夫なのか? 江戸川橋菊地歯科医院

妊娠中には、カロナールという鎮痛剤が処方されます。この薬には胎児に対する悪影響の報告はありませんので、安全に使用することができます。しかし、ボルタレンという鎮痛薬には、死産の報告があるため妊娠中の使用は禁止されています。また、妊娠後期におけるロキソニンの使用も禁止されています。抗菌薬に関しては、ペニシリン・セフェム系の薬の安全性が高いとされていますが、処方する医師や産婦人科医の指導のもと相談した上で服用することが必要です。

妊娠性歯肉炎はどのように予防すればいいの?

江戸川橋 歯医者 妊娠性歯肉炎はどのように予防すればいいの? 江戸川橋菊地歯科医院

歯磨きは妊娠している場合に限らず重要です。特に妊娠中はホルモンバランスの変化もあると前述した通り、通常の歯磨き以上に丁寧にやらなくてはなりません。その際、妊娠前期のつわりがひどい時期や妊娠後期のお腹が大きくなった状態での受診は身体に負担がかかります。したがって、妊娠中期の比較的安定した時期に歯科医院を受診し、歯磨きの方法を的確に指導してもらうことで、妊娠性歯肉炎になりにくいお口の環境を手に入れることができると思います。

今回もここまでお読み頂き、ありがとうございました。

江戸川橋 歯医者 口呼吸 江戸川橋菊地歯科医院

前の記事

口呼吸の悪影響!!
江戸川橋 歯医者 酸蝕症には内因性、外因性の要因がある 江戸川橋菊地歯科医院

次の記事

酸蝕症と間食