歯周病とは

こんにちは。文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は、「日本人が歯を失う原因の第1位」、また「世界で1番感染者の多い病気」である歯周病について分かりやすく説明します。

歯周病とはどのような病気か?

日本人の30歳以上の3人に2人が歯周病になっていると言われています。歯周病は大きく分けて2つの状態に分類することができます。それが「歯肉炎」と「歯周炎」です。健康な状態では、歯肉はピンク色で引き締まっているため、歯ブラシをしても歯肉からの出血はありません。一方、歯肉炎は歯の周りある歯肉が赤く腫れ上がり、歯ブラシを行うだけで出血してきます。歯周炎は歯肉炎が更に進行し、歯肉からの出血のほかに膿が出てくる場合もあります。歯肉炎との最も大きな違いは、歯を支えている骨が吸収(溶ける)することで、歯が揺れてくることです。この状態を放置し続けることで、結果的に歯を失う原因になるのです。

こんな症状はありませんか?

歯周病の分かりやすい症状と進行過程です。

「朝起きると、口の中がネバネバしている」
「口臭があると気になる、または指摘された」
「歯ブラシをすると、歯肉から出血する」
「歯肉の色が赤くなり、腫れてきた」
「最近、歯肉がやせて歯が長くなってきた」
「歯と歯の間に物が詰まりやすくなってきた」
「歯が少しずつ揺れてきた」

歯周病は進行の過程で痛みをほとんど感じないため、たとえ歯周病にかかっていても気づかずに生活している場合も多いのです。そのため、定期的に歯科健診に行くことで問題を早期に発見することができます。

歯周病は治せる病気なのか?

結果から言うと、歯周病は治療が可能な病気です。歯周病の初段階である歯肉炎の場合、原因となる歯垢(プラーク)を取ることで治ります。歯垢は歯ブラシをすることで除去することができるため、歯肉炎は歯ブラシをすることで治る病気です。一方、歯周炎は歯ブラシだけでは治りません。歯周ポケットという歯と歯肉の間にできる隙間が4mm以上になった場合、歯周炎になります。通常の歯ブラシの毛先は、数mmしか歯周ポケットに届かないため、歯周ポケットが深くなればなるほど状態は悪化していきます。

まとめ

歯周病は普段の生活習慣である歯ブラシをすることで、ある程度予防することができる病気です。
しかし、簡単な方法で予防可能な病気である歯周病になっている患者さんが、これほどまでに多いのはなぜでしょうか。理由として考えられることは、「歯ブラシのやり方が不十分である」ということが1番です。通常の歯科健診で歯石を取るのと同時に、ブラッシング指導が行われていますが、1回のブラッシング指導で確実な歯磨きができるようにはなりません。当院では、それぞれの患者さんに合った歯ブラシの方法、歯ブラシの種類など具体的に歯科衛生士が保険診療の範囲内で指導しています。
歯周病予防の基本は歯ブラシの方法なので、興味のある方は是非ご相談下さい。

次回は、更に詳しく歯周病の治療内容について説明させて頂きます。