床矯正とは?できること・できないこと、治療の流れと期間や費用を解説!
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
矯正治療の1つである床矯正ですが、どのような役割があるのか、どのような矯正なのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、床矯正がどのような矯正治療なのかを解説します。治療の流れや治療期間、費用についてもあわせて解説するため、床矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
床矯正とは
床矯正(しょうきょうせい)とは、プラスチック製のプレートにスクリューやスプリングがついた装置で行う治療です。顎に装着し、スクリューを回して装置を広げることで歯列を拡大します。成長期の顎の骨が柔らかいタイミングに行う治療法のため、6~11歳が対象です。
装置を一度装着したら治療が終わるまで外さない矯正方法も多いですが、床矯正では1日12~20時間程度の装着が推奨されています。
装着時間は症例やお子さんの状況によって変わるので、歯科医師の指示に従いましょう。
床矯正ができる歯並び
床矯正ができる歯並びは、以下のとおりです。
- 上顎前突(出っ歯)
- 叢生
- 過蓋咬合
- 交叉咬合
上記以外の歯並びの場合には、歯科医師の判断によっては床矯正ができないかもしれません。また、出っ歯については、矯正することで助長されると考える歯科医師もいます。この場合、床矯正をしないケースもあります。
床矯正でできること・できないこと
床矯正にはできることとできないことがあります。何ができて、何ができないのかを知っておかなければ、矯正治療を始めてから後悔することがあるかもしれません。
ここでは、床矯正でできることと、できないことについて詳しく解説します。
床矯正でできること
床矯正でできることは、次の通りです。
- 装置を外すこと
- 少ない負担で歯間を広げること
床矯正では、食事や歯磨きのときには矯正装置を外せます。1日14時間ほどの装着が推奨されており、具体的な時間は人によりますが10時間ほどは外しても問題ないことが多いです。就寝中も装着するので、日中の装着時間の負担が少なく日常生活への影響を抑えられます。
さらに、例えば音楽や国語など言葉を発したり口を動かしたりすることが多い授業中は外すなど、柔軟な対応も可能です。
また、顎の骨の成長を活かして歯列を広げることができるため、子どもの顎にかかる負担を軽減できます。子どもの柔らかい顎の骨だからこそできるのが床矯正です。
床矯正でできないこと
床矯正でできないことは次の通りです。
- 骨格を変えること
- 細かく歯並びを調整すること
床矯正は、歯を内側から押すことで歯列を広げる矯正法です。歯列弓は広げられますが、骨格は変えられません。歯を傾斜させて歯の生えるスペースを作ります。
これから生えてくる歯のために顎を広げてスペースを作りたい方や、顎が小さいことが気になっている方は、床矯正では治療することはできません。顎を広げるためには、急速拡大装置が必要です。
また、床矯正はあくまで歯が生えてくるスペースを作る矯正治療のため、細かい歯並びの矯正はできません。歯が重なって生えている、前に出ているなど、歯を移動させて細かく調整したい場合は、2期治療が必要になるでしょう。
床矯正の治療の流れと期間
床矯正がどのような流れで進み、どのくらいの期間かかるのかは、子どもに床矯正をしたい保護者にとって気になるポイントでしょう。ここからは、床矯正の治療の流れと期間について詳しく解説します。
カウンセリング
まずは1時間程度カウンセリングをして、床矯正ができるのかどうかをチェックします。カウンセリングでは、お口の検査やレントゲン撮影も行います。
検査で得られたデータをもとに歯型を作成し、歯型を使いながら床矯正がどのような治療なのか説明します。
検査
治療を受けることが決まれば、詳細な検査を行います。顎の骨のレントゲンを撮影したり口周りの写真を撮ったりして床矯正の準備をします。
検査結果を基に、どのように治療していくか説明します。カウンセリングから検査まで、1日で終わらせる歯科医院もあるでしょう。
装置の作成・治療開始
型取りを行い、装置の作成に進みます。お子さんに合わせて作成するので、完成まで2週間〜1ヶ月ほどかかるでしょう。
完成したら受診して装置を受け取り、装着時間や取り扱い方法などの説明を受けて、治療を開始します。
経過観察
経過観察では、矯正している歯や装置の状態をチェックします。経過観察は1~2か月に1回の頻度で行うことが多いですが、患者さんによって異なります。必ず歯科医師の指示に従いましょう。
保定期間
床矯正が終了した後は保定期間に入ります。矯正直後の歯は、何もしなければすぐに矯正前の状態に戻ってしまいます。矯正前の歯に戻らないよう、保定期間は保定用の装置をつける必要があります。
保定期間中は、3~6か月に一度受診して歯の状態をチェックします。歯科医師が問題ないと判断したら床矯正は終了です。
床矯正の費用
床矯正の費用相場は30〜40万円程度です。床矯正は保険が適用されない自費診療のため、この費用を全額自己負担しなければなりません。
ただし、審美目的ではなく、噛み合わせや活舌など機能性の向上を目的として床矯正を行う場合には、医療費控除の対象となります。1年間(1/1〜12/31)の医療費が10万円(所得200万円未満の方の場合は所得の5%の金額)を超えた場合に受けられる所得控除制度です。
医療費控除を受ければ、経済的な負担を抑えられます。
床矯正のメリットとデメリット
床矯正にはメリットとデメリットがあります。それぞれをよく理解したうえで床矯正を検討しましょう。床矯正のメリット、デメリットは次の通りです。
床矯正のメリット
床矯正のメリットは、治療時の痛みが少ないことです。お子さんは顎の骨が柔らかいため、強い力をかけても痛みが生じにくいのです。痛みを回避して歯並びを整えられるのは。大きなメリットといえます。
ただし、全く痛みが無いわけではないという点は理解しておきましょう。
また、取り外しできない矯正装置が多い一方で、床矯正の装置は取り外し可能です。矯正装置が取り外せないと、歯磨きしにくかったり食事がうまくできなかったり、会話に影響が出たりすることがあるでしょう。
日常生活への影響を抑えて治療できる点も、床矯正の大きなメリットです。
床矯正を行えば、成長後に永久歯の矯正をしなくて良くなる可能性がある点もメリットと言えます。永久歯の矯正をする場合は時間的にも経済的にも負担がかかり、痛みを伴うケースもあります。
2期治療の抜歯を避けられたり期間が短くなったり、負担を軽減できることもメリットです。
床矯正のデメリット
床矯正のデメリットは、装着時間を守らなければいけない点です。床矯正では、1日14時間ほど装置を装着する必要があります。子どもが違和感を覚えた場合、勝手に装置を外し指示された時間着けられないこともあるかもしれません。
特に、幼い子どもは装置の必要性を十分に理解できていなかったり、違和感に対応できなかったり、勝手に外すことがあるため保護者のサポートが重要です。保護者が十分にサポートできない環境だと、治療が難しいかもしれません。
また、床矯正は自費診療のため、費用がかかります。矯正終了後も、保定やメンテナンスなどに費用がかかります。費用を治療終了まで捻出できないと、治療を続けていくことは難しいでしょう。
発語に影響が出るケースがあることもデメリットとして挙げられます。装置をつけるため少なからず違和感が生じ、装着を嫌がる可能性もあるでしょう。
まとめ
子どもの矯正治療の1つである床矯正は、歯や口への負担が少ないことから注目されている矯正法です。歯の生えるスペースを作れるため、大人になってからの矯正が不要となるケースもあります。
一方で、装置を長時間装着する必要があり、幼い子どもでは難しいケースもあります。床矯正は保護者のサポートが極めて重要なので、治療期間は全力でサポートしてあげましょう。
床矯正を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。