歯周病の外科治療とは?外科治療が必要となる症例や費用と期間の解説
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
歯周病が進行すると、歯茎の炎症や骨の破壊が進み、通常のクリーニングや薬での治療だけでは改善が難しくなる場合があります。この場合、歯周病の外科治療が検討されます。
外科治療では、歯茎を切開して感染部分を直接清掃したり、骨の再生を促す治療を行ったり、歯と歯茎の健康を取り戻すことを目指します。
この記事では、外科治療が必要となるケースや具体的な治療方法、費用、治療にかかる期間について詳しく解説します。
目次
歯周病という病気
歯周病は、歯を支える歯茎や歯槽骨が炎症を起こし、進行すると歯がぐらついたり、最終的には抜けたりするリスクのある疾患です。口腔内に残ったプラーク(歯垢)に歯周病菌が繁殖することで、歯茎が炎症を起こしさまざまな症状を引き起こします。
ここでは、歯周病の症状や全身へのリスクについて詳しく説明します。
歯周病の症状
初期段階では自覚症状が少なく、軽く歯茎が腫れたり、歯磨き時に出血したりします。放置すると炎症が悪化し、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなります。さらに進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が破壊されていきます。
歯槽骨が破壊されると歯がぐらつき、最終的には抜けてしまう可能性もあります。歯周病はゆっくりと自覚症状なく進行することが多いため、早期の発見と治療が非常に重要とされています。
歯周病が全身に及ぼすリスク
歯周病は、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすことがわかっています。歯周病菌が血流を通じて体内に広がると、糖尿病の悪化や心血管疾患のリスクが高まると指摘されています。
さらに、妊娠中の女性では、早産や低出生体重児のリスクとも関連があるとされています。全身の健康維持の観点からも、歯周病は予防と治療が重要なのです。
歯周病の予防方法
歯周病を予防するには、日々のセルフケアと定期的な歯科受診が欠かせません。毎日の丁寧なブラッシングに加え、歯間ブラシやデンタルフロスでプラークを除去することが予防の基本です。
また、定期的に歯科でのプロフェッショナルケアを受ければ、初期段階で発見し早期治療によって進行を抑えることができます。
歯周病の外科治療とは
歯周病が進行し、通常のクリーニングや薬だけでは改善が難しい場合には、外科治療が選択されることがあります。外科治療では、感染部位に直接アプローチし、徹底的な清掃や歯周組織の修復を行い、歯と歯茎の健康を取り戻すことを目指します。
ここでは、代表的な外科治療の方法について解説します。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
フラップ手術は、歯茎を切開して歯の根元や歯槽骨に直接アクセスし、感染した歯周ポケットの内部を徹底的に清掃する治療法です。歯茎を一度剥がして清掃を行い、再度縫合して元の位置に戻します。
この手術により、歯周ポケットを浅くして歯茎の健康を回復させ、歯周病の再発リスクを軽減します。
骨再生療法(GTR法)
歯周病が進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊されることがあります。骨再生療法は、破壊された骨を再生する治療法で、GTR(組織再生誘導療法)とも呼ばれます。
専用の膜を使って歯周ポケット内で骨の再生を促し、健康な骨組織の回復をサポートします。歯がしっかりと支えられるようになり、歯のぐらつきを防ぐことが期待できます。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法では、専用の薬剤や移植材料を用いて、歯茎や歯を支える組織の再生を促します。歯周病によって失われた歯周組織を再生させ、歯と歯茎の健康な結びつきを取り戻すことが目的です。
再生療法は、歯周病の進行度や歯周組織の状態に応じて選択されます。歯周病によるダメージの回復が期待できます。
抜歯
歯周病が重度に進行し、歯を保存するのが難しいと判断された場合には、感染の拡大を防ぐために抜歯が選択されることがあります。抜歯後には、インプラントや入れ歯などの補綴治療が検討され、口腔の健康を維持する方法が提案されます。
歯周病の外科治療が必要となる症例
以下に、外科治療が必要になる代表的な症例について解説します。
歯周ポケットが深い症例
歯周病が進行すると、歯と歯茎の間にある歯周ポケットが深くなります。歯ブラシや通常のクリーニングでは届かない部分に、汚れが溜まりやすくなります。
歯周ポケットが深い場合は、フラップ手術などの外科治療で歯茎を一度剥がし、ポケット内部を徹底的に清掃することが必要です。感染源を取り除き、歯周ポケットの深さを減少させます。
骨が破壊されている症例
重度の歯周病では、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊され、歯のぐらつきが生じることがあります。こうした場合、骨再生療法(GTR法)などで骨の再生を促し、歯の安定を取り戻すことが求められます。
特に、歯槽骨の再生が期待できる場合は、再生治療によって歯の保存が可能になり、抜歯を回避できることもあります。
歯周組織が大きく損傷している症例
歯周病が進行して歯周組織(歯茎や結合組織)が大きく損傷している場合には、歯周組織再生療法を行うことがあります。この治療では、再生促進剤や移植材料を使用して歯周組織の再生を促進します。
損傷が大きくても、適切な治療により歯と歯茎の密着度を高めれば、口腔内の健康を回復させられるケースがあります。
重度の炎症や腫れが続く症例
歯周病による炎症や腫れが重度で、痛みが続く場合も外科治療が必要です。感染が広がっている場合には、炎症を取り除くために歯茎を切開して治療を行います。外科治療によって炎症源をしっかりと除去し、炎症や痛みの緩和を図ります。
歯の保存が難しい症例
歯の保存が難しいと判断される場合、抜歯が検討されることがあります。感染が周囲に広がるのを防ぐため、早期の抜歯が推奨されることもあります。
抜歯後は、インプラントや入れ歯、ブリッジなどの補綴治療で咬合機能を回復させ、口腔の健康を保つ必要があります。
歯周病の外科治療にかかる費用と期間
歯周病の外科治療にかかる費用や治療期間は、症状の進行度や選択する治療法によって異なります。ここでは、代表的な外科治療ごとの費用と期間の目安を説明します。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
保険が適用される場合、1本あたり約2,000円から3,000円程度で、複数の部位に施術する場合は総額が数万円になることもあります。治療は通常1~2回の通院で完了しますが、術後の経過観察やクリーニングを含めると数か月程度の通院が必要です。
また、治療後の定期メンテナンスを含めると、1年以上かかる場合もあります。
骨再生療法(GTR法)
骨再生療法は高度な治療で、保険が適用されないことが多いです。自費治療の場合、1本あたり約5万円から10万円程度が相場です。骨の状態によっては、さらに費用がかかることもあります。
治療には2~3回の施術が必要で、骨が再生するまで数か月かかる場合があります。経過を見守りながら再生を促すため、数か月から半年程度の通院が必要とされています。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法も保険が適用されないことが多く、費用は1本あたり5万円から15万円程度です。使用する再生材や患者さんの症状に応じて、費用は変動します。
治療には2~3回の施術が必要で、再生が進むまで経過観察が必要です。半年以上の通院が一般的でしょう。
抜歯
歯周病の治療として抜歯をする場合、一般的に保険が適用されるので、1本あたり数百円から2,000円程度です。
ただし、抜歯後の補綴治療(インプラントや入れ歯など)は保険適用外になる場合があります。自費で行うと高額になるでしょう。
抜歯自体は1回の施術で終わります。補綴治療が必要な場合、完了まで数か月から半年程度かかり、定期的に通院する必要があります。
まとめ
歯周病が進行すると、通常のクリーニングや薬だけでは改善が難しい場合があり、外科治療が検討されます。外科治療には、感染部分を清掃するフラップ手術、骨を再生する骨再生療法、歯周組織の修復を目指す歯周組織再生療法などがあります。
治療が必要となるケースには、深い歯周ポケットや骨の破壊、重度の炎症などが含まれ、症状に応じて適切な治療が行われます。費用は治療方法や保険の適用により異なり、治療期間は数回の施術から数か月の通院が必要になることが一般的です。
適切な外科治療を受けることで、歯周病によるダメージを軽減し、口腔内の健康維持に期待できるでしょう。
歯周病治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。