初期の歯周病の症状とは?自分で改善できる?放置リスクも解説
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
歯周病は、日本人が歯を失う原因の第1位と言われているほど身近な病気です。
しかし、初期段階では自覚症状が少なく、気がついたときには重度に進行していることも珍しくありません。歯周病が進行すると歯がグラつき始め、最終的には歯が抜け落ちる可能性があります。そのため、早期に治療を開始することが重要です。
今回は、初期の歯周病の症状や治療方法、歯周病を放置するリスクについて解説します。
目次
初期の歯周病の症状
初期の歯周病の症状は、以下の3つです。
- 歯茎が赤く腫れる
- 歯茎から出血する
- 口臭が気になる
詳しく解説します。
歯茎が赤く腫れる
健康な歯茎はピンク色をしていますが、歯周病を発症すると充血したような赤色・茶褐色へと変化します。歯茎に炎症反応が起きている状態で、腫れも見られるでしょう。
いわゆる歯肉炎と呼ばれる段階で、見た目で自覚しやすい歯周病の初期症状です。
歯茎から出血する
歯茎からの出血も、歯周病の初期症状の1つです。歯肉炎を起こしている歯茎に歯ブラシが当たると簡単に出血します。出血は少量で痛みを伴わないことも多いため見逃しやすいです。
ブラッシング後に痛みがないのに歯ブラシに血が付いている場合は、初期の歯周病の可能性があるため注意が必要です。
口臭が気になる
歯周病は、磨き残しによって発生したプラークや歯石の蓄積が原因で発症します。プラークや歯石に潜む細菌は、口臭の原因となるガスを発生させるためです。
「以前よりも口臭が気になるようになった」「口臭はなかったのに最近気になる」と感じる場合は、初期の歯周病を発症している可能性があります。
初期の歯周病は自分で改善できる?
初期の歯周病は、歯肉炎と呼ばれる状態です。この状態であれば、ブラッシングの仕方を見直して汚れを除去することで、進行を抑制できるでしょう。
ただし、根本的な解決にはなりません。プラークが長いあいだ歯に蓄積すると、歯ブラシだけでは落とせない硬い歯石となるため、自分で除去できなくなります。見える範囲の汚れを除去できたとしても、歯茎の下にプラークや歯石が隠れている場合もあります。
また、歯周病が改善したかどうかを自分で判断するのは難しいでしょう。
歯周病は、初期の段階に歯科医院で適切な治療を行えば改善に向かいます。歯茎の腫れや出血など、気になる症状がある場合は、歯科医院を受診しましょう。歯周病は、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。
初期の歯周病の治療方法
初期の歯周病は、歯周基本治療で改善を目指します。具体的には、下記5つを行います。
- ブラッシング指導
- クリーニング・歯石除去
- 噛み合わせの調整
- 不適合な補綴物の再治療
- マウスピースの作製
詳しく解説します。
ブラッシング指導
歯周病の改善には、患者さん自身が毎日適切なブラッシングを行うことが重要です。そのため、正しいブラッシング方法を身につける必要があります。
歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落としきれないため、デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れることが大切です。また、歯周病が起こる原因や歯周病を進行さないための生活習慣など、歯周病の知識を身につけてもらう必要があります。
ブラッシング指導では、歯科衛生士が患者さんそれぞれに合ったブラッシング方法や歯周病の改善方法などを丁寧にお伝えします。自分では気がつかなかった磨き癖や磨き残しが多い部分を知り、正しいブラッシングを続けることで歯周病の再発や進行を防ぎます。
クリーニング・歯石除去
歯科医院で専用の器具や機械を使用して、歯のクリーニングを行います。歯石は歯ブラシだけでは落とせないため、歯科医院で除去する必要があります。歯ブラシが届かない歯茎の下に隠れているプラークや縁下歯石も丁寧に除去します。
歯科医院で専門的な歯のクリーニングと歯石除去を受けることで、歯周病菌を大幅に減らせます。
噛み合わせの調整
噛み合わせに偏りがあり、一部の歯や歯茎に負担がかかっていると歯周病の進行を早める場合があります。そのため、噛む力が分散されるように、歯や詰め物(インレー)・被せ物(クラウン)の表面を少し削り、噛み合わせの調整を行います。
不適合な補綴物の再治療
不適合な被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)があると、段差や隙間に汚れが溜まって歯周病や虫歯の原因となります。そのため、修正や再治療を行います。
とくに、治療してから長い年月が経過した詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)は経年劣化が進みます。噛み合わせの不具合を引き起こしたり、菌の温床になったりするため、必要に応じて再治療を検討します。
マウスピースの作製
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、歯や歯茎に強い力が日常的に加わるため歯周病の進行を早める可能性があります。マウスピースを装着すれば歯や歯茎に加わる力が軽減されるため、必要な場合はマウスピースの作製を検討します。
マウスピースを装着することで、歯周病の進行を食い止められる場合があります。
初期の歯周病治療の費用
基本的に、初期の歯周病治療には保険が適用されます。3割負担の場合、1回の治療費は3,000~4,000円程度でしょう。通院回数は3~4回程度が目安のため、1万円前後が一般的な費用の目安です。
ただし、歯周病の進行度や必要な治療によって費用は変動します。また、初期の歯周病が改善した後も、3カ月に1回程度、定期検診を続けることが重要です。詳しい治療費は、治療を行う歯科医院で確認しましょう。
初期の歯周病の放置リスク
初期の歯周病を放置するリスクは、以下の5つです。
- 歯のグラつきが現れる
- 歯が伸びたように見える
- 膿が出て口臭が発生・悪化する
- 全身疾患のリスクが高まる
- 歯が抜ける
詳しく解説します。
歯のグラつきが現れる
初期の歯周病が進行すると、歯周病菌が歯を支えている骨を徐々に溶かしていき歯がグラグラし始めます。硬くない食べ物であっても、噛むと痛みが生じることもあるでしょう。
食事に不具合を感じることが増えて、食事が億劫になる可能性も考えられます。
歯が伸びたように見える
歯周病が進行して歯を支えている骨が溶けると、歯茎が下がるため歯が伸びたように見えます。歯の根元が露出して、歯と歯の間にも隙間が生まれます。
見た目が悪くなるだけではなく、食べ物が詰まりやすくなり虫歯のリスクが高まったり、知覚過敏を引き起こしたりすることもあるでしょう。
膿が出て口臭が発生・悪化する
初期の歯周病では、歯茎の腫れや出血が見られます。その状態を放置していると、歯茎からの出血に加えて排膿の症状が現れることがあります。膿が出ると、口臭はさらに悪化します。
全身疾患のリスクが高まる
歯周病を患っているということは、お口の中で炎症が続いている状態です。炎症によって出てくる毒性の物質が歯茎の血管から全身に巡ると、さまざまな全身疾患を引き起こす可能性があるのです。
具体的には、糖尿病や早産・低出生体重児、心筋梗塞や脳梗塞にも関与していると言われています。誤嚥により歯周病菌が肺に入り込むこともあり、高齢者の誤嚥性肺炎の原因でもあります。
歯が抜ける
歯周病が進行して歯のグラつきが続くと、歯を支えている骨が溶け続けるため最終的には歯が抜け落ちます。自然に抜けなくても、抜歯を余儀なくされることがあるでしょう。
歯が抜けると何らかの方法で補う必要がありますが、骨が溶けて少なくなっているためインプラントを選べなくなる可能性もあります。入れ歯やブリッジで補う場合も、周辺の歯にも影響が及んでいる可能性が高く、安定せず噛みにくいなどのデメリットが生じます。
まとめ
初期の歯周病は自覚症状が少なく気がつきにくいです。日頃から歯磨きの際に歯茎からの出血や腫れがないかチェックすることや、口臭の発生などの小さな変化に気がつくことが大切です。
歯周病は初期の段階で治療を開始できれば、負担の少ない治療で改善へ向かいます。初期の歯周病を放置すると、最終的には歯が抜け落ちる可能性があります。治療も複雑になり、負担も大きくなるでしょう。
初期の歯周病を見逃さないためにも、日頃からの丁寧な口腔ケアを心がけて定期検診をきちんと受けることが大切です。
歯周病の治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。