歯周病の進行段階をわかりやすく解説!進行段階別の治療方法と費用とは

こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

歯周病が悪化するイメージ

歯を失う原因のなかでも多いと言われているのが、歯周病です。特に、歯周病の初期段階ではほとんど痛みを感じないため、気付いた頃には進行していることが非常に多いです。歯周病は、自然に治るものではありません。

今回は、歯周病の進行段階や進行段階ごとの治療法、歯周病を防ぐ方法などについて解説します。歯周病にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病の進行段階

歯周病の歯

歯周病は、進行の程度によって4つの段階に分けられます。それぞれの段階で症状や治療法が異なるため、早期に発見し適切に対処することが重要です。

基本的に、歯周病は進行するほど治療が難しくなり、時間と費用の負担が増加します。早期に発見して適切な治療を行うことが、歯を守るために重要です。

ここでは、歯周病の進行段階と特徴を解説します。

歯肉炎

歯肉炎は、最も初期段階の歯周病です。歯ぐきが赤く腫れ、歯磨き時に出血するなどの症状が現れます。炎症が歯茎に留まっているため、歯科でのスケーリングや日常の正しいブラッシングで改善できることがあります。

軽度の歯周炎

歯肉炎が進行すると、軽度の歯周炎へ移行します。軽度の歯周炎では、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットが深くなり、炎症が広がることで歯ぐきの腫れや出血が続くようになります。口臭が悪化することも多いです。

この段階でも、スケーリングや歯周ポケット内の歯垢・歯石の除去によって症状の改善が期待できます。

中等度の歯周炎

さらに進行すると中等度の歯周炎になります。この段階では炎症が歯槽骨にまで及び、歯周ポケットが5〜6mm程度と深くなって歯がぐらつくこともあります。また、歯ぐきから膿が出ることで、強い口臭が発生する場合もあります。

この状態になると、ブラッシング方法の改善やクリーニングだけでは改善が難しいケースが多いです。外科的な治療が必要になる可能性があるでしょう。

重度の歯周炎

歯周病を治療せず放置すると、重度の歯周炎へと進行します。歯槽骨が大きく破壊され、歯が揺れるようになり、最終的には抜け落ちるリスクがあります。

また、痛みや排膿、出血が頻繁に発生するため、食事や会話に支障をきたすこともあります。膿や血液、細菌などによって、口臭が強くなることも特徴です。

歯を残せると判断された場合は、歯周外科治療を検討します。

ただし、この段階では歯を保存するのが難しい場合が多く、抜歯が選択肢となることも少なくありません。その後は、インプラントや入れ歯で失った歯を補う必要があります。

歯周病の進行が進むと最終的にどうなる?

歯周病の進行が進み歯が抜けてしまうイメージ

歯周病が進行し続けた場合、最終的には歯を失う可能性が高まります。歯周病が進行すると、歯槽骨と呼ばれる歯を支える骨が破壊されます。破壊された顎の骨が自然に元に戻ることはないので、歯がぐらつき始めて最終的には抜け落ちてしまいます。

また、歯がなくなると咀嚼能力が低下し、食べ物を十分に噛むことができなくなるでしょう。十分に咀嚼せずに食べ物を飲み込めば、消化器官にかかる負担が増加します。栄養を十分に吸収できなくなることも考えられるでしょう。

歯周病が進行すると歯を失うリスクが高まりますが、その影響は全身にも及ぶのです。近年の研究では、歯周病が糖尿病や心疾患、脳卒中などの全身疾患と関連していることがわかっています。

歯周病菌が血流に乗って全身に運ばれることで、体の他の部位に炎症を引き起こすリスクがあるのです。特に、糖尿病を患っている方は歯周病の進行が速くなる傾向があり、歯周病が悪化すると糖尿病の管理が難しくなることも指摘されています。

歯を失うと見た目にも大きな影響を与えるでしょう。歯が抜けたままの状態を放置すると、周囲の歯が倒れ込んだり、噛み合わせが乱れたりすることでさらに口腔内の状態が悪化します。

食事や会話だけでなく、顔の輪郭にも変化が現れ、老けた印象を与えることがあります。

歯周病の進行を食い止めるためには、早期の治療と日常的なケアが不可欠です。歯周病は歯を失う原因になるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。そのため、歯周病かもしれないと感じたら早期に治療を受けることが重要です。

歯周病の進行を防ぐ方法

歯周病予防で口腔ケアをしっかりする女性

歯周病の進行を防ぐためには、初期の段階で歯科医院を受診して歯周病の治療を受ける必要があります。進行すればするほど、治療にかかる時間や費用も高額になります。すぐに受診できない場合でも、歯周病を悪化させないように努めましょう。

生活習慣を見直す

歯周病は生活習慣病でもあり、日々の生活を見直すことが非常に重要です。不規則な生活を送っている方は、規則正しい生活を心がけてください。規則正しい生活を意識すれば、免疫力を高めることができ、さまざまな病気の予防につながります。

具体的には、栄養バランスを意識しし、糖分過多にならない食事を心がけましょう。アルコールを飲みすぎないように注意し、十分な睡眠をとって休息する時間を設けることも重要です。

また、喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因の一つです。タバコを吸うと血流が悪化し、歯ぐきの免疫力が低下するため、禁煙は歯周病の予防や進行の抑制に非常に効果的です。可能であれば禁煙を目指し、難しくても本数を減らすように意識しましょう。

ストレスの軽減や適度な運動も、全身の健康を維持し、歯周病のリスクを下げために重要です。

口腔ケアを徹底する

歯周病の原因となる歯垢を減らすために、毎日の口腔ケアを徹底しましょう。口腔ケアを徹底すれば、歯肉炎や軽度の歯周炎なら改善できることもあります。

特に、歯の隙間には歯垢が溜まりやすいので、意識して丁寧に磨いてください。デンタルフロスや歯間ブラシを併用すれば、歯間の汚れを効果的に除去できます。

歯磨きの際は、45度の角度に歯ブラシを当てて優しく磨きます。力を入れて磨くと歯茎を傷めてしまい、歯周病の進行を速めるリスクがあります。歯ブラシの毛先が曲がらない程度の力で磨いてください。

定期検診を受ける

歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどないため、歯科医院で定期検診を受けることも重要です。ご自身では歯周病の発生に気づいていなくても、歯科医師が確認すれば兆候を発見できます。

早期発見・早期治療につなげることができれば、歯周病の進行を食い止められます。早い段階で治療を始めれば、負担を軽減できるだけでなく、歯を守れる可能性も上げられるでしょう。

また、定期検診では、日常のケアでは取り切れない歯石の除去や歯ぐきの状態のチェックを行います。歯や歯茎の状態を確認しながら、歯周病のリスクも軽減できます。

定期検診は、特に気になる症状がなくても半年に1回は受けることが推奨されています。歯周病の既往がある方や、口腔トラブルのリスクが高いと判断された方は、1〜3か月に一度と指示されることもあるでしょう。

適切な頻度は患者さんによって異なるので、歯科医師の指示に従って受診しましょう。

歯周病の進行段階別の治療方法と費用

歯周病の治療を受ける女性

ここでは、歯周病の進行段階別に、治療方法と費用を解説します。

歯肉炎

歯周病の初期段階である歯肉炎の治療内容は、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)と、正しいブラッシング方法の指導が中心です。この段階では、歯ぐきに炎症があるものの歯槽骨の破壊は見られないため、簡単な処置で症状を改善することが期待できます。

費用は、保険適用で数千円程度が一般的です。

軽度の歯周炎

軽度の歯周炎では、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットが広がり、歯垢や歯石が蓄積しやすい状態になっています。そのため、スケーリングに加えて、歯周ポケット内の歯根面を滑らかにする処置であるルートプレーニングが行われます。

費用は、保険適用であれば1回あたり3,000〜5,000円程度が目安です。症状によっては、数回通院が必要になる場合があります。

中等度の歯周炎

中等度の歯周炎では、歯周ポケットがさらに深くなり炎症が歯槽骨にまで及びます。この段階では、スケーリングやルートプレーニングでの治療では不十分な場合があるため、外科的な治療が必要になることがあります。

歯周ポケットを直接清掃するフラップ手術や、歯槽骨の再生を目指す歯周組織再生療法が行われます。

費用は、保険適用であれば1回5,000〜1万円程度です。再生療法などの高度な処置は自由診療となり、数万円から十数万円かかることもあります。

重度の歯周炎

重度の歯周炎では、歯を支える骨の大部分が破壊されており、歯を保存することが難しくなります。この場合、抜歯が必要となることが多いでしょう。抜歯の費用は、保険適用で1本あたり数百円から2,000円程度です。

抜歯後は、インプラントや入れ歯を用いて失った歯の機能を補います。インプラント治療の費用は、自由診療となり1本あたり30万〜50万円程度が一般的です。入れ歯の場合は、保険適用であれば数千円から1万円程度、自由診療であれば数万円以上の費用がかかります。

まとめ

歯周病が治った人

今回は、歯周病の進行段階と、進行段階別の治療内容や費用などについて解説しました。歯周病は、歯を失う原因にもなる恐ろしい病気です。進行すると全身の健康にも悪影響を与えるので、早期に対応することが重要です。

歯周病の治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。