歯石予防のすべて|原因・リスク・自宅ケアと歯科での除去方法を解説

こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

ブラッシング指導する歯科衛生士

「しっかり歯磨きをしているのに歯石ができてしまう」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。歯石を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、口臭や見た目の悪化にもつながるため、予防が重要です。

この記事では、そもそも歯石とは何か、どのようにしてできるのか、どうやって予防したらいいのか詳しく解説します。歯石を予防する方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

歯石とは

歯石がたくさん付着した歯

歯石とは、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムなどと結びついて硬くなったものです。

歯垢は、食べかすや細菌が集まってできる柔らかい白色の膜です。毎日の歯磨きで簡単に取り除けますが、セルフケアが不十分で取り除かれないまま時間が経つと歯石に変化します。

歯垢が歯石になると歯に固着するため通常の歯磨きでは除去できず、歯科医院で専用の器具を使って取り除く必要があります。

歯石が厄介なのは、その表面がザラザラしていてさらに汚れや細菌が付着しやすい環境を作ることです。特に歯と歯ぐきの境目に歯石がたまると歯周病になるリスクが高まります。

歯周病とは、歯ぐきや歯を支える骨が炎症を起こし、歯が抜け落ちることもある病気です。歯周病を予防し、大切な歯を守るためにも、歯石ができないようにふだんからしっかりとケアをすることが大切なのです。

また、歯石は一度除去しても、日々の生活のなかで再び形成されます。そのため、定期的な歯科検診とクリーニング、そして日々のセルフケアが欠かせません。

歯石予防の第一歩は、歯垢をためないことです。歯石ができる前に対処することで、お口の健康を守ることができます。

歯石ができる主な原因とできやすい人の特徴

タバコを吸う人

歯石の予防には、まずその原因やできやすい人の傾向を知ることが大切です。自分に当てはまるポイントを知ることで、効果的な対策につながるでしょう。

歯石ができる原因

歯石ができる代表的な原因は、磨き残しによる歯垢の蓄積です。不十分な歯磨きで残った歯垢は、時間の経過とともに歯石へと変化します。

また、唾液の性質も関係しており、唾液に含まれるカルシウムやリン酸が多いと、歯垢が石灰化しやすくなります。

さらに知っておきたいのが、歯石のもととなる歯垢が増える原因です。これには、食生活の乱れや口呼吸の習慣などが関係しています。

口呼吸の習慣があると、口の中が乾燥して唾液の自浄作用が弱まるため、歯垢がたまりやすくなります。さらに、糖分の多い飲食物を頻繁に摂取する習慣があると、それをエサにする細菌が増え、歯垢が増えやすくなるのです。

歯石ができやすい人の特徴

歯石は誰にでもできる可能性がありますが、以下のような方は特に歯石ができやすい傾向があります。

  • 歯磨きが雑または短時間で済ませている人
  • 歯並びが悪く、磨きにくい箇所が多い人
  • 喫煙習慣がある人
  • ストレスが多く、唾液の分泌量が少ない人
  • 定期的に歯科検診を受けていない人

歯石がたまりやすい部位

歯石は特に下の前歯の裏側や、上の奥歯の外側など、唾液腺の開口部に近い部位にたまりやすい特徴があります。これらの部位は歯ブラシが届きにくく、歯垢が残りやすいため、意識して丁寧にケアすることが重要です。

歯石を放置することで起こるリスク

口臭が気になってマスクを押さえる人

歯石を放置することで生じるさまざまなリスクについて解説します。

歯周病や虫歯の発生リスクが高まる

歯と歯ぐきの境目に歯石がたまり、その周辺に歯垢が付着すると、歯周病になるリスクが高まります。これによって、歯茎の腫れや出血などの症状が現れることも少なくありません。

歯周病が進行すると、歯ぐきが徐々に下がり、歯が長く見えるようになったり、冷たいものがしみるなどの知覚過敏の症状が現れたりすることもあります。

また、歯石の周囲に細菌が増えることで、虫歯になるリスクも高まると考えられています。

口臭が発生する

歯石がたまると、細菌の繁殖や食べかすの付着によって口臭が発生しやすくなります。口臭があると、日常生活での対人関係にも影響を及ぼす可能性があるため、早めのケアが大切です。

自宅でできる歯石予防の方法

丁寧に歯磨きする女性

歯石は一度できると、歯科医院での処置が必要となるため、日々のセルフケアで歯石になる前の歯垢をしっかり取り除くことが大切です。ここでは、自宅でできる歯石予防のポイントをご紹介します。

正しい方法で歯磨きをする

歯石の原因となる歯垢をしっかり除去するために、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、小刻みに動かして磨きましょう。力を入れすぎず、時間をかけて丁寧に磨くことが大切です。

デンタルフロスや歯間ブラシを活用する

歯ブラシのみで歯と歯の間に付着した汚れを落とすことは困難です。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシの毛先が届きにくい細かい部分に付着した汚れも効果的に取り除くことができます。

食生活を工夫する

よく噛んで食べることや、食後に水やお茶で口をすすぐことは、お口の中の清掃作用を高める一助となります。また、糖分の多い飲食物の摂取を控え、規則正しい食事を心がけることも歯石予防に役立ちます。

唾液の分泌を促す

唾液にはお口の中の汚れを洗い流す働きがあり、歯石の原因物質を減らす効果が期待されています。よく噛むことや、こまめな水分補給、ストレスをためない生活を意識することが、唾液分泌の促進につながります。

歯科医院で定期的に検診を受ける

自宅でのケアだけではどうしても磨き残しが生じるため、歯垢や歯石の蓄積を完全に防ぐことは難しいものです。

そこで重要になるのが歯科医院での定期検診です。定期検診では、歯石の有無だけでなく歯や歯ぐきの状態もチェックされるため、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療も可能となります。

歯石除去の流れと方法

歯石除去する歯科衛生士

歯石はふだんの歯磨きでは除去できません。そのため、歯科医院を定期的に受診して、専門的なケアを受ける必要があります。

歯科医院では、専用の器具(スケーラー)を使って歯の表面や歯と歯ぐきの間に付着した歯石を丁寧に取り除きます。

まず、超音波振動と水の力で歯石を粉砕・洗浄する超音波スケーラーで大まかな歯石を除去し、その後、手用スケーラーで細かい部分を仕上げます。必要に応じて、歯の表面を磨いて汚れの再付着を防ぐ処置(ポリッシング)も行われます。

処置中に痛みを感じる場合は、我慢せずに歯科医師や歯科衛生士に伝えましょう。

歯石除去の費用と頻度の目安

歯石除去には健康保険が適用されることが多く、費用は1,500円〜3,000円程度が一般的です。

ただし、お口の中の状態によって追加の処置が必要になる場合は、さらに費用がかかる可能性があります。

一般的に3〜6か月に1回の頻度で歯石除去を受けることが推奨されていますが、個人の口腔内の状態によって適切な間隔は異なります。歯科医師の指示に従いましょう。

歯石除去後に気をつけたい日常ケア

よく噛む食事を心がける夫婦

歯石除去後は、再発を防ぐための日常ケアがとても重要です。ここでは、歯石が再び付着しにくい口腔環境を維持するための具体的なセルフケア方法について解説します。

歯磨きを丁寧に行う

歯石の再付着を防ぐためには、歯磨きを丁寧に行うことが大切です。

歯ブラシは自分のお口に合ったものを選び、歯と歯ぐきの境目や歯の裏側まで意識して磨きましょう。また、歯間ブラシやデンタルフロスの併用を毎日の習慣にすることで、歯垢の蓄積を防ぎやすくなります。

さらに、セルフケアだけでなく、定期的に歯科検診を受けることで、歯石の付着状況や磨き残しの傾向を早期にチェックできるため、予防効果が高まります。

歯石が付きにくい口腔環境に整える

歯石は、歯垢が唾液中のミネラルと結びついて石灰化することで形成されるため、歯垢がたまりにくい環境を整えることが予防の鍵となります。

食後はできるだけ早く歯を磨き、特に就寝前は時間をかけて丁寧にケアすることが推奨されます。唾液には口腔内を洗浄する自浄作用があります。そのため、食べ物をよく噛むことで唾液の分泌量を増やすことも大切です。

加えて、糖分を多く含む飲食物の摂取を控えることで、歯垢の発生を抑えることが期待できます。毎日の生活習慣を見直し、口腔内を清潔に保つことが、歯石の再発予防につながります。

まとめ

テレビでスポーツ観戦して盛り上がる夫婦

歯石は、歯垢が石灰化して硬くなったものです。放置すると、歯や歯ぐきの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、ふだんからしっかりと歯磨きをして、歯石の原因となる歯垢を除去することが非常に重要です。

なお、歯石は歯磨きでは落とすことができません。お口の健康を守るためにも、定期的に歯科医院を受診して除去してもらいましょう。

お口の健康を守りたいとお考えの方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。