根管治療を行う前の術前検査
こんにちは。
文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は、根管治療を始める前に行う検査について説明します。
目次
まずは問診から!

歯医者さんに行くと最初に問診表を記入すると思います。その後、記載された内容に関して詳しく歯科医師が問診を行います。根管治療を専門的に始める前は、この問診を診察台の上で行っていました。そして「噛むと痛い」、「歯がしみる」、「歯が浮いた感じがする」といった症状を患者さんから聴くと、「まずはX線を撮って確認しましょう!」という様に患者さんからの詳しい説明を省略して、こちらの必要な情報をいち早く集めようとしていました。
これまでの経過を確認することの重要性

痛みや違和感が出るまでに、どのような経過をたどって症状が現れたのか。治療を始める前に患者さんの言葉で説明してもらうことにより、「何もしなくても痛い」、「冷たいものがしみる」、「以前、このような治療を受けた」など様々な情報を事前に得ることは、治療を円滑に進めていく上で非常に重要です。
X線を使った検査
①パノラマX線写真

お口の中にある全ての歯、顎の骨や副鼻腔の一つである上顎洞の状態を大まかに把握®するために撮影します。撮影時間は約15秒です。
②デンタルX線写真

パノラマX線写真を撮影した後、さらに撮影範囲を絞って撮るため、3~4本の歯の状態を把握することができます。CT検査が普及する前は、このデンタルX線写真の撮影方向をいくつか変えて撮影することで治療する歯の状態を読影していました。撮影時間は約1秒です。
③コーンビームCT(歯科用CT)

CT検査は必ず行うものではありません。歯根の形態が複雑な場合、病気の大きさが広範囲に及ぶ場合などに限定して撮影します。最近では、CT検査の被ばく量が大幅に低くなり、デンタルX線写真に換算すると3枚くらい撮影した場合と同等になります。
またパノラマX線写真やデンタルX線写真では写らない根の病変もCT検査をすることで判明することがあるため、当院では難しい治療の際に使用しています。
実際にお口の中を診て行う検査
①触診
症状が出ている歯を押してみたり、膨らんでいる歯ぐきを触って、違和感がないか確認します。
②打診
病気になっている疑いのある歯をトントンと叩いて症状を確認します。
③電気診
歯の神経が生きているかどうか、微量の電気を流すことで感覚があるかどうかを診断します。
④コールドテスト
歯の神経が生きているかどうか、ドライアイスを歯に当てて冷たく感じるかどうかを診断します。
⑤ロールワッテを噛んでもらう
綿球のような柔らかいものを食べ物に見立てて噛んでもらい、違和感がないかどうかを確認します。
⑥歯周ポケット検査
歯周ポケットの深さが一部分だけとても深くなる場合、歯根破折(ひび割れ)の可能性があるため、歯の周りをすべて確認します。
まとめ
歯を治療する際、どんな歯でも根管治療が適応になるわけではありません。治療を行ったとしても治る可能性が低い歯、歯の根っこにひび割れを起こしている歯、虫歯により残存している歯質がほとんどない歯などは、残せる可能性が低いことを予め伝えることが必要です。
治療前にできるだけ多くの情報を集めて、科学的根拠や今までの経験をもとに分かりやすく患者さんに状態を説明し、治療計画に対する同意を得ることで、「今日はどんな治療をしてもらったのか、よく分からない」、「あと何回通院すればいいのか分からない」という疑問が少なくなると思います。
「現在、根管治療をしてもらっているが、なかなか終わらない」
「根管治療を何度も繰り返し行っている」
「治療が難しく抜歯と言われた」
「セカンドオピニオンをきいてみたい」など根管治療でお困りの際は、お気軽にご相談下さい。
今回もここまでお読み頂き、ありがとうございました。