歯周病治療について
こんにちは。文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は、歯周病検査と歯周病治療について分かりやすく説明します。
歯周病治療前の2つの検査とは?
歯周病検診で一般的に行われるのは、「歯周ポケットの深さを計測する検査」と「X線による検査」です。
実際のところ歯周ポケットは健康な歯肉には存在しません。歯周病にかかっていない場合、歯と歯ぐきの根元にある隙間を歯肉溝と呼びます。その深さは約1~2mm程度で健康的なピンク色をした歯肉です。一方、歯周病にかかっている歯肉には4mm以上の歯周ポケットができています。それを計測するのがプローブと言って、先端に定規のようなメモリがついた細い器具です。歯肉に炎症がある場合はチクチクとした感覚がありますが、健康な歯肉ではほとんど痛みはありません。
そして歯周ポケットの深さを計測する際、もう一つ重要なポイントがあります。それは「歯肉からの出血」があるかどうかです。
X線検査では、目には見えない骨の吸収(骨が溶けている状態)を確認します。一度吸収した骨はなかなか元の状態には戻りません。しかし、歯周病治療を的確に行うことで骨の状態が良くなってくると、X線上で歯槽硬線というものが写ってくるようになるため、治療の前後でX線による比較を行うことができます。
目に見える歯石と隠れて見えない歯石
超音波やスケーラーと呼ばれる器具で、歯の根元についた白色の歯石を除去することをスケーリングと言います。
これが目に見える歯石を取る治療です。
一方、歯周ポケットの奥深くに入り込んだ歯石があるのをご存じでしょうか?
これは歯肉縁下歯石と呼ばれ、目ではなかなか見えません。目に見える歯石は、歯ブラシでは除去できませんが、歯科用器具を使用すれば簡単に除去することができます。隠れて見えない歯石は、歯1本ずつに時間をかけて除去するため1回の治療でこの歯石を全て取ることは難しいのです。通常、半年に1度くらいの頻度で「歯のクリーニング」を受けていれば大丈夫と思っている方が多いと思います。しかし、検査で歯肉からの出血や4mm以上の歯周ポケットが見つかった場合、的確な治療を行わないと、また半年後に更に悪くなった状態で来院することになってしまうのです。
歯周病重度の場合は外科的手術を行うことも!
歯周病の基本的な治療を行ったとしても、思ったように治療の結果が出ない場合があります。
その際は、歯肉を切って歯の根っこ深くに付着した歯石をとるフラップ手術ということを行います。先程、隠れて見えない歯石について説明しましたが、見えにくい歯石のため手の感覚で除去すると、どうしても取り残してしまう歯石があることも事実です。
また最近では骨、セメント質、歯根膜などの歯周組織を再生させる世界初の薬剤、「リグロス®」による治療も行われるようになり、歯周病治療における再生療法は日々進化を続けています。
まとめ
今回は歯周病検診の際、何気なく行われている検査や治療の内容について分かりやすく説明しました。
当院の歯周病治療は、歯ブラシの方法をマスターしてもらうことを最重要事項と位置づけ、「どうしてこの歯周病治療が必要なのか?」という疑問に対してスタッフが丁寧に説明を行います。それによって、ご自身の大切な歯に興味を持って頂き、二人三脚での治療を行うことで一生自分の歯で食事ができるお手伝いをさせて頂きたいと思います。