奥歯の虫歯に注意!原因や治療法、予防法を詳しく解説

こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

奥歯に虫歯ができた男性

奥歯に虫歯ができた場合、その進行に気づきにくく、気づいたときには重症化しているケースが少なくありません。特に、食べかすやプラークが溜まりやすい場所でもあるため、日々のケアを怠ると虫歯になるリスクが高まります。

この記事では、奥歯が虫歯になりやすい理由や、虫歯の進行段階、虫歯を放置するリスクについて解説します。

なぜ奥歯は虫歯になりやすい?

なぜ奥歯は虫歯になりやすいのか考えるイメージ

奥歯は、前歯に比べて虫歯になりやすいといわれています。ここでは、奥歯が虫歯になりやすい理由について解説します。

複雑な溝がある

奥歯の噛む面には、食べ物を効率的に噛み砕くための凹凸があります。この細かい部分に食べカスやプラークがたまりやすく、歯ブラシの毛先が届きにくいため、磨き残しが生じるケースが多いです。

清掃が難しい位置にある

奥歯は口の奥に位置しており、口を大きく開けても見えにくいためセルフケアが難しい部位です。歯ブラシをしっかりと当てられていないことが多く、歯と歯の間や歯と歯茎の境目にプラークが残りやすくなります。

また、上の奥歯は頬に近いため歯ブラシが入りにくく、細かな動きがしづらいことから、ブラッシングが不十分になりがちです。意識して角度を変えながら磨いているつもりでも、汚れが落としきれていないことが珍しくありません。

唾液が届きにくい

唾液は、口腔内を清潔に保つために重要な役割を果たしています。

しかし、奥歯は口の奥に位置しているため、唾液が行き届きにくい部分といえます。唾液が届きにくいことで、食べ物の残りカスや細菌が長時間とどまりやすくなります。

唾液の自浄作用や抗菌作用が十分に働かないことで、虫歯のリスクが高まるのです。

奥歯の虫歯の進行段階と治療法

奥歯の虫歯治療のビフォーアフター

虫歯は進行段階によって治療法が異なり、それぞれに特徴と注意点があります。ここでは、虫歯の進行段階別に治療法を解説します。

C1:エナメル質の虫歯

虫歯がエナメル質にまで達すると、歯の表面に小さな白い斑点や茶色い変色が現れることがあります。冷たいものを口にしたときにしみることもありますが、大きな痛みはまだほとんどありません。

この段階では、歯を削ることなくフッ素を塗布する治療が選択されることもあります。

C2:象牙質の虫歯

C2の段階では、エナメル質の下にある象牙質まで虫歯が進行しています。この段階になると、冷たいものや甘いものがしみたり、軽く痛みを感じたりするようになります。

虫歯が象牙質まで進行すると、小さな穴ができ、虫歯部分を削らなければなりません。虫歯部分を削り、詰め物や被せ物をして虫歯の部分を補い、歯の機能を回復させます。

C3:神経に達した虫歯

虫歯が神経や血管が通っている歯髄にまで達すると、ズキズキと激しい痛みが生じます。放置されると炎症が激しくなり、最終的に神経が死んでしまいます。神経まで虫歯が達した場合、根管治療が必要です。

根管治療では、感染した神経を除去し、根管内を洗浄・消毒した後に薬剤を詰めて密閉します。治療は複数回にわたって行われることが多く、その後、被せ物を装着して歯の機能を回復させます。

C4:歯冠が破損した虫歯

C4は、虫歯がさらに進行し歯の大部分が崩れた状態です。神経が死んでいることが多く、痛みを感じなくなるケースがありますが、状態が良くなったわけではないので治療を受ける必要があります。

この状態では歯を残すことが困難になるため、抜歯を検討します。抜歯後は、他の歯への負担を防ぎ噛む機能を回復するために、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療を実施します。

奥歯の虫歯を治療せずに放置するリスク

奥歯の虫歯を放置し痛みが増した女性

奥歯の虫歯は、初期段階では自覚症状が少ないため放置されやすいです。痛みが出ないからといって、虫歯を治療せずに放置するのは非常に危険です。虫歯は自然に治ることはなく、放置すれば確実に進行し、さまざまな健康リスクを引き起こす恐れがあります。

ここでは、奥歯の虫歯を治療せずに放置することで起こりうる影響について解説します。

痛みや腫れが悪化する

軽度の虫歯であっても、放置すれば確実に進行します。虫歯菌が象牙質や歯髄にまで達すると、強い痛みを伴ったり膿が溜まったりします。炎症が歯の根の周囲にまで広がると、眠れないほどの痛みが続くこともあるでしょう。

隣接する歯に悪影響が及ぶ

奥歯の虫歯が進行していくと、その隣の歯も虫歯になる可能性が高くなります。虫歯があるということは口内で虫歯菌が繁殖しているということであり、虫歯を放置すればするほど口内環境が悪化していきます。

噛み合わせのバランスが崩れる

奥歯は、食事の際に非常に重要な歯です。咬合(こうごう)の安定にとって欠かせない存在です。虫歯が進行して痛みが生じたり、詰め物や被せ物が取れたりすると、片側で噛む癖がつきやすくなります。

このような状態が続くことで、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性もあるでしょう。

治療費が高額になっていく

奥歯の虫歯を放置していると、徐々に症状が悪化し、治療範囲が広くなっていきます。最初は詰め物で済んでいた治療が、神経の治療やクラウンの装着を伴うようになると、1回あたりの治療費が増大します。

全身疾患のリスクが高まる

虫歯菌が作る毒素は血液に乗って全身を巡り、全身の健康にも影響を与える可能性があります。例えば、虫歯菌が血管内に入り込むと、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクが高まることが知られています。

また、噛み合わせが悪いことで、顎関節症や肩こり・頭痛などにつながることも少なくありません。口内の健康を保つことは、全身の健康を維持することにもつながるのです。

奥歯の虫歯を予防する方法

フッ素入りの歯磨き粉を使用して奥歯の虫歯を予防する様子

奥歯の虫歯は進行しやすく、治療にも時間と費用がかかることから、予防することが何よりも重要です。毎日のケアを正しく行えば、虫歯を未然に防ぐことができるでしょう。

ここでは、自宅でできる予防法から、歯科医院でのプロフェッショナルケアまで、効果的な予防方法を詳しく解説します。

正しい歯磨き習慣を身につける

奥歯を適切に磨くには、ブラシの角度と動かし方が重要です。特に、奥歯の噛み合わせ面には食べかすがたまりやすく、歯垢が除去されにくいため、しっかりとブラシを当てて上下に細かく動かしましょう。

加えて、1日1回はフロスや歯間ブラシを使用し、歯と歯の間の汚れも忘れずに取り除いてください。慣れるまでは手間に感じるかもしれませんが、奥歯の細かい部分まで丁寧にお手入れすれば、虫歯の予防につながります。

フッ素入りの歯磨き粉を使用する

フッ素は、虫歯を予防するために欠かせない成分です。溶かされて一度失われたカルシウムやリンを、歯の表面へ戻す作用や、歯のエナメル質を強化する作用、虫歯菌の活動を抑える作用などがあるためです。

毎日フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、虫歯の予防効果が高まります。

食生活を見直す

虫歯予防には、食生活の見直しも欠かせません。糖分を多く含む食品や飲み物の摂取を控えることはもちろん、間食の回数を減らすことで口腔内のpHの変動を抑えれば、虫歯菌の活動を抑制できます。

例えば、甘いお菓子を頻繁に食べる習慣を改善し、代わりにおやつにナッツやチーズといった糖分の少ない食品を選ぶことで奥歯の健康維持に役立つでしょう。加えて、よく噛んで食べることは唾液の分泌を促進します。

定期的に歯科検診を受ける

定期的に歯科検診を受けて早期治療や予防処置を受けることも大切です。歯科医院では、自分では気づきにくい初期虫歯を見つけることができます。また、専門的なクリーニングにより、セルフケアでは取り除くことができなかった細かい部分のプラークや歯石を除去してもらえます。

定期的に歯科検診を受けて早期発見・早期治療を行うことは、虫歯の進行を防ぐだけでなく、痛みや費用の軽減にもつながるでしょう。

まとめ

虫歯の治療が終わって笑顔の男性

奥歯は複雑な形状や清掃のしにくさから、虫歯が発生しやすい部位です。奥歯の虫歯は進行すると痛みや炎症が生じ、隣接歯への影響や全身への健康リスクも伴います。最終的には、神経治療や抜歯といった大掛かりな処置が必要となる可能性もあります。

そのため、日々の適切な歯磨きやデンタルフロスの使用、食生活の見直しを心がけましょう。また、定期的に歯科検診を受けることで、奥歯の虫歯を未然に防げます。奥歯の虫歯を防ぐためには、生活習慣を見直し毎日意識してケアすることが重要です。

奥歯の虫歯を予防したい方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。