根尖性歯周炎とは?治療法である根管治療についても解説!

こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

根尖性歯周炎の男性

「根っこの治療を受けた歯に違和感がある」「歯茎にできものができている」などのお悩みがある場合、根尖性歯周炎かもしれません。

根尖性歯周炎は、顎の骨にまで炎症が広がった状態です。治療せずに放置していると、歯が激しく痛んだり、歯茎が大きく腫れたりすることがあります。

この記事では、根尖性歯周炎の症状や原因、根管治療について解説します。

根尖性歯周炎とは?

根尖性歯周炎のイメージ

虫歯などが原因で神経が壊死し、歯の根の先まで炎症が広がった状態のことを根尖性歯周炎といいます。一度根管治療を行った歯の炎症が再発し、根尖性歯周炎になることが多いです。

普段は強い症状が出ないこともありますが、悪化すると根尖に膿が溜まり、激しい痛みを伴ったり歯茎や頬が大きく腫れたりすることがあります。

根尖性歯周炎の症状

根尖性歯周炎の女性

根尖性歯周炎の症状は、慢性期と急性期の2種類に分けられます。

慢性期

慢性期は、風邪をひいた時や睡眠時間が足りていない時、疲れた時など、免疫力が低下した際に症状が出ることが多いです。強い症状が出ることは基本的にありません。

慢性期の症状は、以下のとおりです。

歯や歯茎に違和感が出る

根尖性歯周炎を患うと、体調の悪い時に歯や歯茎に違和感が出ることがあります。歯がジクジクとうずいたり、歯の根元の歯茎を押すと痛んだりすることがあるでしょう。

また、入浴時や運動時など、血行がよくなった際に違和感が出ることもあります。

噛むと痛い

根尖性歯周炎まで進行している場合、歯の神経が死んでいるため直接的な歯の痛みはありません。

しかし、歯の神経から顎の骨にまで炎症が広がっているため、歯に刺激が加わると違和感や痛みが生じる場合があるのです。また、歯と顎の骨との間には、歯根膜という薄い膜があります。

歯根膜は、歯が受けた衝撃をやわらげるクッションのようなもので、噛み応えを調整する役割もあります。根尖性歯周炎で歯根膜にも炎症が広がると、噛む刺激によって痛みが出ることがあるでしょう。

歯茎にできものができる

大きな虫歯などで神経が壊死すると、根尖に病巣ができて膿が溜まります。溜まった膿の出口がないため、外側に出口を作ります。歯茎にニキビのようなできものができた場合、根尖性歯周炎が原因かもしれません。

膿によって大きさが変わり、膿が排出されると小さくなります。小さくなっても根尖性歯周炎が治ったわけではないので、膿が溜まるとまた大きくなります。

根尖性歯周炎の自覚症状がない場合でも、歯茎にできものがあるなら炎症が起きている可能性があります。痛みを生じることはありませんが、免疫力が低下した際に痛みが出ることがあります。

また、根尖に溜まった膿は口内に排出されるため、口臭や変な味が生じる場合があるでしょう。

急性期

慢性期には激しい症状が現れにくいので、治療を受けずに放置する方もいるかもしれません。治療を受けないと急性期へと転化し、ある日突然激しい痛みが出たり歯茎が大きく腫れたりすることがあります。

急性期の症状は、以下のとおりです。

歯がズキズキと強く痛む

根尖性歯周炎の症状が悪化すると、温かいものが歯にしみたり、ズキズキと激しく痛んだりすることがあるでしょう。個人差はありますが、痛み止めが効かず日常生活に支障をきたす場合もあります。

また、急性期の炎症により、熱が出たり、喉に痛みを感じたりすることもあります。

歯茎が大きく腫れる

根尖に膿が溜まり、歯茎が大きく腫れることがあります。膿が大量に溜まると、顔の形が変わるほど大きく腫れあがることも少なくありません。

痛みが強く出る場合は歯茎を切開し、膿を出す処置が必要になることがあります。腫れがひどい場合には、副鼻腔炎を引き起こすおそれもあるので注意が必要です。

歯がグラつく

急性期に強い痛みが出ても、症状が落ち着けば慢性期へと移行し、痛みは治まります。

ただし、根尖の炎症を繰り返すことで炎症がさらに広がり、顎の骨を溶かすことがあります。歯を支える顎の骨が溶かされることにより、歯がグラつき始め、最終的には抜歯せざるを得ないこともあるでしょう。

根尖性歯周炎の原因

虫歯がある人

根尖性歯周炎の主な原因は、以下のとおりです。

虫歯

虫歯が大きくなり神経にまで到達すると、何もしなくてもズキズキと強い痛みが出るようになります。激しい痛みを我慢してそのまま放置すると、神経が壊死し痛みは治まります。

しかし、虫歯が治ったわけではありません。神経から根管、根尖、顎の骨にまで炎症が広がり、根尖性歯周炎を発症するのです。

歯の痛みは、虫歯などのトラブルのサインです。放置すればするほど重症化しますので、症状に気付いた時点で治療を開始しましょう。

根管治療後

一度根管治療を行って根管内の炎症を抑えても、炎症が再発することがあります。根管治療の際に十分に感染部位を除去できなかったことが考えられるでしょう。

レントゲン上ではまっすぐに見える歯の根も、実際は複雑な形をしており、曲がったり枝分かれしたりしています。そのため、根管治療は歯科治療の中でも難易度の高い治療といえます。

外傷による歯のダメージ

虫歯になっていなくても、事故などで歯に強い衝撃が加わって神経が壊死し、根尖性歯周炎を発症することがあります。外傷によるダメージを受けたことで、神経が切断されたり歯の破折により細菌が侵入したりすることで、神経に炎症が起こるからです。

外傷を受けた直後は問題なくても、数か月後に神経が死んでしまうこともあります。

根尖性歯周炎の治療法である根管治療とは

根管治療を受ける人

根尖性歯周炎は、根管内から根尖、顎の骨にまで炎症が広がっている状態です。そのため、根管内を洗浄・消毒する根管治療を行う必要があります。

根管治療とは、歯を残すために行われる治療です。歯の中には血管や神経を含む歯髄と呼ばれる組織がありますが、歯髄が感染したり壊死したりした場合、歯髄を取り除いて根管内を消毒します。この処置を、根管治療といいます。

根管治療は、虫歯が進行して歯の神経(歯髄)にまで達した場合に行われることが多いです。歯髄が感染すると、強い痛みや歯茎の腫れなどの症状が現れます。眠れないほど歯がズキズキと痛むこともあるでしょう。

放置して感染が拡大すると、体の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。根管治療で感染した歯髄を取り除き、清掃・消毒することで、痛みを軽減して感染の拡大を防ぎます。

根管治療は、口腔内の健康を維持するために非常に重要な治療です。

根管治療の流れ

根管治療の一般的な流れを解説します。

  1. 虫歯や感染部位の除去
  2. 根管内の洗浄・消毒
  3. 薬剤の充填
  4. 被せ物(クラウン)の装着

まずは、虫歯や細菌感染している箇所を全て取り除きます。麻酔を使用してから根管が見えるように歯の形状を整え、ファイルという器具を使用して根管内の細菌や汚染物を除去します。

根管治療で根管内が洗浄・消毒できたら、最終的な薬剤を詰めます。しっかりと密閉できていないと隙間から細菌が侵入して炎症が再発することもあるため、隙間が空かないように丁寧に充填します。

根幹への処置が終われば、土台を立てて被せ物(クラウン)を装着します。根管治療後の歯はもろく弱いため、補強のために土台を立てて被せ物(クラウン)を装着するのです。

まとめ

歯磨きをする女性

根尖性歯周炎とは、虫歯を放置したことなどが原因で、歯の根の先まで炎症が広がった状態のことです。

慢性期の状態であれば普段は強い症状は出ませんが、疲れた時や免疫力が低下した時などに痛みや違和感などの症状が現れます。急性期の状態になると、何もしなくてもズキズキと歯が強く痛んだり、歯茎が大きく腫れたりすることがあります。

重症化すると、抜歯せざるを得ないかもしれません。「歯茎を押すと違和感がある」などは、根尖性歯周炎を患っているサインの可能性があります。何か気になる症状がある場合は、なるべく早く歯科を受診しましょう。

根尖性歯周炎かもしれないと不安な方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちらWEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。