根管治療後の歯の寿命はどれくらい?長持ちさせる方法も解説!
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
虫歯が進行したり事故で歯を損傷したり、歯の神経をとることになったときには根管治療を行います。治療について「神経を抜いた歯の寿命は短くなるの?」「治療後の歯を長持ちさせる方法はある?」など疑問に思う方もいるでしょう。
本記事では、根管治療後の歯の寿命と、寿命を長くする対策を解説します。
目次
根管治療とは?
根管治療とは、何らかの理由で歯の神経を抜いた後の歯根を消毒・洗浄し、細菌を取り除く治療法です。小さく複雑な形をしている根管の中を洗浄するという、とても繊細な治療です。
本項目では、根管治療が必要なケースや頻度と期間を見ていきましょう。
根管治療が必要になるケース
根管治療を行う症例は、下記のケースです。
- 歯髄炎:虫歯が神経に達して炎症を起こしている状態
- 歯髄壊死:歯髄炎が悪化し細胞が死んだ状態
- 根尖性歯周炎:炎症が悪化し根の先に嚢胞が溜まった状態
- ブリッジの土台にする(歯そのものは健康な場合もある)
- 再根管治療(以前根管治療した歯の問題が再発した)
上記のように、虫歯による神経の炎症や壊死などで神経がダメージを受けている場合、根管治療を行います。また、ブリッジの治療のために健康な歯の神経をとることもあるでしょう。
神経をとった後の根管を消毒・洗浄し、根管に細菌が繁殖しないようにします。
根管治療の頻度と期間
根管の消毒は1週間に一度のペースで行います。治療に必要な期間は1か月〜1か月半が目安でしょう。根管に細菌が残ると治療後に炎症が起こるリスクがあるため、それを避けるため無菌状態しなければならず、ある程度長い治療期間が必要です。
根管を綺麗にしたら、薬剤を根管に詰めて汚れや細菌が中に入らないようにします。その後、土台を作ってその上に被せ物(クラウン)を被せます。
炎症や虫歯の状態にもよりますが、根管治療を始めて新しく被せ物(クラウン)が入るまでの期間は、2か月以上かかると考えていたほうがよいでしょう。
根管治療後の歯の寿命はどれくらい?
根管治療をすると、健康な歯に比べて寿命が短くなるのは否めません。根管治療後の歯の寿命は、治療後に残せる歯の量によって異なります。
本項目では、根管治療後の歯の寿命について解説します。
根管治療後に歯の大部分を残せたケース
根管治療後に歯の大部分を残せた場合、歯の寿命は20〜30年です。特に、治療が成功し、治療後もメンテナンスを続けている歯の寿命は長い傾向にあります。
歯の大部分が残っていても、最後までしっかりと治療を受けなかった場合やメンテナンスを怠った場合いは、寿命が短くなる傾向があります。
根管治療時に歯のほとんどを削ったケース
根管治療時に歯のほとんどを削った症例の歯の寿命は、5年前後です。歯の大部分を削るということは、症状が進行していた可能性が高いでしょう。治療によって一旦症状が治った場合でも、治療後に再発するなどのトラブルが起きやすいです。
さらに、治療を途中でやめたりメンテナンスを怠ったりすると、ますます寿命が縮みます。
根管治療後の歯の寿命が短くなる原因
ここでは、根管治療後の歯の寿命が短くなる原因を確認しましょう。
歯に血液や栄養が届かなくなる
根管治療では、歯の神経や血管を取り除きます。血液や栄養が届かなくなるので、根管治療後の歯はもろくなります。神経のある歯は生きている木、根管治療後の歯は枯れ木をイメージするとわかりやすいかもしれません。
枯れ木のような状態になった根管治療後の歯は、いろいろなトラブルが起こりやすくなり寿命が短くなるのです。
2次う蝕になりやすい
2次う蝕とは、虫歯治療後の歯がふたたび虫歯になることを指します。根管治療後の歯は2次う蝕になりやすく、痛みを感じないため虫歯が進行しやすいです。
根管治療後の歯には被せ物(クラウン)をしますが、天然歯との間にわずかでも隙間があると汚れが溜まります。銀歯を選択した場合は、時の経過とともに銀歯が溶け出し隙間が大きくなります。
また、事故などではなく虫歯や歯周病が原因で根管治療が必要になったケースでは、そもそもその歯の清掃が不十分な可能性が高いです。綺麗に磨くように意識していても、利き手や癖の影響で磨き残しが生じているかもしれません。
気がついたときには大きな虫歯になっていて、抜歯をしなければならない可能性もあるでしょう。
歯根が破損しやすい
神経がある歯に比べて根管治療後の歯は歯根が破損しやすいです。上記でも触れた通り、治療後の歯には栄養が届かないためもろくなるためです。
特に、最終的な被せ物(クラウン)までの治療をしっかりと終えていない歯は衝撃に弱いです。硬いものを食べたり物に当たったりすると、歯根が割れるリスクが高くなるでしょう。歯根が割れると歯を抜かなければなりません。
歯根が感染しやすい
根管治療で完全に殺菌できていなかったり、治療後に何らかの理由で細菌が根管に侵入したりすると、歯根が細菌に感染し炎症を起こします。排膿や痛みなどの症状が現れますが、この場合は再根管治療が必要です。
再根管治療では、被せ物(クラウン)やその中に入っている土台、根管に詰めた薬剤を除去して治療します。この際にさらに歯を削るため、歯が残る量が少なくなり治療後の歯の寿命は短くなるでしょう。
また、この症状を繰り返したり、根尖病変がひどかったりすると、治療が不可能と判断され抜歯が必要となることもあります。
根管治療後の歯を長持ちさせる方法
根管治療後の歯の寿命は、神経の残っている歯に比べて短いです。
しかし、下記の3つことに注意すれば長持ちさせられるかもしれません。本項目では、根管治療後の歯を長持ちさせるためにできることをまとめました。
治療を最後まで受ける
まずは、治療を途中で中断せずに最後まで受けましょう。根管治療は1か月以上もかかるため、病院に通うのが難しいと感じるかもしれません。
しかし、途中で治療をやめると細菌が残った状態になり、症状が再発しやすくなります。被せ物(クラウン)を入れる処置が終わっていない場合は、強度がないため歯根が折れやすいでしょう。
口腔ケアをしっかりとする
日頃から口腔ケアをしっかり行ってください。根管治療後の歯は虫歯になりやすいので、口腔ケアを丁寧に行って虫歯になるリスクを減すことが大切です。
しっかりと汚れを落とすためには、歯ブラシを歯面に当てて小刻みに動かしましょう。歯ブラシだけでなく、タフトブラシやフロスなどの道具も使って、細かい箇所の汚れを落とすことも重要です。
歯科検診を受ける
気になる症状がない場合でも定期的に歯科検診を受けましょう。定期検診を受けていれば、根管治療後の歯の異常を早期発見して治療ができます。
磨き残している箇所があり虫歯になるリスクが高いと判断されれば、歯科衛生士から正しい磨き方を教えてもらえます。
まとめ
今回は、根管治療後の歯の寿命について解説しました。
根管治療後の歯の寿命は、神経が残っている歯の寿命に比べて短いです。歯が多く残せた場合は10年〜20年、歯があまり残っていない場合は5年程度でしょう。
根管治療後の歯の寿命が短くなる理由は、血液や栄養が届かないことで2次う蝕になったり破損したりするリスクが高まるからです。
できるだけ寿命を長くするためには、根管治療が完了するまでしっかりと通院することが重要でしょう。また、その後の口腔ケアや定期検診も大切です。
根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。