歯の神経が痛い原因と対処法!神経を抜くメリット・デメリット

こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

歯が痛い女性

歯の神経が痛いけれど神経を抜かなければならないのか気になっている方がいるのではないでしょうか。「歯の神経って抜いても大丈夫なのかな?」「歯の神経を抜いたらどうなるの?」という悩みをおもちの方もいるでしょう。

虫歯が進行して、歯の神経に近づくほど痛みは強くなります。日常生活に支障が出るほどの痛みが生じた場合には、神経を取り除く治療をしなくてはいけません。歯の神経を抜くことで痛みはなくなりますが、歯を守る役割が失われてしまうため、抜かないほうがよい場合もあります。

本記事では、歯の神経が痛む原因やその対処法、神経を抜くメリット・デメリットについて詳しく解説します。歯の神経を抜きたいとお考えの方や、歯の痛みでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

歯の神経(歯髄)とは

歯の神経イメージ

歯の神経は象牙質の内側にある歯の中心部分に位置しています。歯髄とも呼ばれています。歯の中心部には細かい血管と神経がたくさん通っており、歯に栄養と酸素を供給したり、痛みや温度の変化を脳へ伝えたりする役割があるのです。

虫歯が神経まで到達して強い痛みや炎症を伴うと、場合によっては神経を取り除く治療が必要になることもあるでしょう。

しかし、歯の神経は、歯の成長を促進する役割や病原体から歯を守る役割も果たしているため、歯の健康のことを考えるとなるべく抜かないほうがいいのです。

歯の神経が痛い状況とは

冷たいものを飲んで歯が染みてる女性

歯の神経が痛む状況とは、どのような状況なのでしょうか。

以下からは、歯の神経が痛い状況を3つに分けてご紹介します。

虫歯が歯の神経まで到達している

歯の層は、外側からエナメル質・象牙質・歯髄の3層構造になっています。

虫歯がエナメル質と象牙質を溶かして歯の神経(歯髄)にまで到達すると、日常生活に支障が出るほどの痛みが生じる可能性があります。痛み止めも効きにくい状態になるため、この状態まで虫歯が悪化したら、歯の神経を抜かざるを得ないでしょう。

冷たい飲み物を飲むとしみる

虫歯菌によって象牙質が露出している場合、水やアイスクリームなどの冷たいものを飲食すると、一時的に痛みを感じる場合があります。

痛み自体は数秒もすれば治まり、何もしなければ痛みを感じることはありません。象牙質知覚過敏症という病気も似たような症状を起こすため、痛みがひどいようなら、まずは歯科医院を受診してください。

噛むときに痛む

虫歯によって空いた穴に食べものが入ると、噛むときに痛みを感じる場合があります。歯に痛みを感じる状態は、虫歯がエナメル質の内側にある象牙質まで進行した状態です。この状態だと、上記のように食べものを噛んだときや冷たいものを飲食したときに、歯に痛みを感じます。

象牙質まで虫歯が進行すると、自然治癒することはないので、歯科医院で治療を受ける必要があるでしょう。

 虫歯で神経を抜くケース

歯の周囲に炎症が起きているイメージ

虫歯がある程度進行すると神経を抜かなければなりません。

以下からは、虫歯で神経を抜く2つのケースをご紹介します。

虫歯が歯の神経に到達している

虫歯が初期段階であれば、神経を抜かずに治療することが可能です。

しかし、虫歯が進行して神経にまで達すると、神経を抜く治療が必要になります。放置すると強い痛みが続くため、早めに歯科医院で適切な治療を受けましょう。

歯の周囲に炎症が起きている

虫歯が神経に到達したまま放置していると、神経が壊死し、歯の周辺に炎症が起こる場合があります。歯の神経が壊死すると、周囲の骨に膿が溜まったり、顔の一部が腫れたりすることがあります。歯の壊死を防ぐためには神経を抜く必要があるため、早めに歯科医院で治療を受けましょう。

歯の神経を抜くメリット

歯の神経を抜くメリットイメージ

歯の神経はなるべく抜かないほうがいいですが、神経を抜くことで得られるメリットもあります。

以下では、歯の神経を抜くメリットを2つご紹介します。

歯の痛みがなくなる

歯の神経を抜くと痛みがなくなります。虫歯が神経にまで達して痛みがある場合、神経を抜かない限り痛みはなくなりません。神経を抜くことで痛みから解放されるのです。また、冷たい飲み物を飲んでも歯がしみなくなるでしょう。

虫歯の進行を止められる

歯の神経を抜くことで、虫歯の進行を食い止めることができます。虫歯菌は歯の表面から侵入し、神経を通って顎の骨まで広がっていきます。そこで、歯の神経を抜くことで、虫歯の進行を食い止め、感染拡大を防ぐことができるのです。

また、歯の神経を抜いて虫歯の進行を抑えられれば、抜歯をする必要がなくなる点も大きなメリットといえるでしょう。

歯の神経を抜くデメリット

歯の神経を抜くデメリットイメージ

歯の神経を抜くことでメリットもありますが、神経を抜くデメリットのほうが多くあります。

ここでは、歯の神経を抜くデメリットを4つご紹介します。

歯が脆くなる

歯の神経を抜くと歯に酸素や栄養が行き届かなくなるため、歯が栄養不足となり、強度が低下します。また、神経を抜く処置で歯を大きく削るため、歯の構造自体が弱くなります。加えて、歯の神経がなくなると弾力性も低下するため、外部からの衝撃に弱くなるのです。

歯が変色することがある

歯の神経を抜く治療を行った場合、治療後2〜3年経つと歯が茶色や黒色に変色することがあります。これは、神経を抜くと同時に歯の中の血管も取り除かれるため、血の流れが止まり、歯の新陳代謝がなくなることが原因です。

残った血液や変色したたんぱく質が処理されずに溜まっていくことで、歯が内部から黒くなります。そのため、歯みがきやホワイトニングで白くなることはほぼありません。

痛みがないため歯の異常に気づけなくなる

歯の神経を抜くと、痛みがなくなるというメリットはありますが、歯に何か問題が起きてもご自身で気づきにくくなります。そのため、神経を抜いた場合は定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、口腔内の状態を常にチェックしておく必要があります。

歯ぐきに痛みが生じる場合がある

歯の神経を抜いてからしばらく経つと、歯ぐきに腫れや痛みが生じる場合があります。これは、神経を抜いたことでできた歯の中の空洞に侵入した細菌が歯ぐきまで広がるためです。炎症がかなり進行している場合は、治療が難航する可能性もあります。

虫歯で神経を抜いたあとの対応

被せ物を持っている人

神経を抜いたら治療が完了というわけではありません。

虫歯の治療で神経を抜いたあとは、以下の対応を行います。

歯髄腔を消毒する

歯髄腔とは歯の神経が入っている部分です。歯の神経を抜いたあとは、薬品を用いて歯髄腔を洗浄・消毒します。消毒が十分に行われたら歯ぐきの状態を確認し、問題が無ければ歯髄腔を閉鎖します。

歯髄腔を閉鎖する

歯髄腔を消毒したら、次は歯髄腔をしっかりと埋める処置が必要です。隙間から細菌が侵入できないように、隙間なく緊密に薬剤を詰めていきます。治療後しばらく経っても痛みが続く場合は、自己判断せずに歯科医院で診てもらいましょう。

被せ物(クラウン)を装着する

治療が完了して歯の状態が安定してきたら、歯に被せ物(クラウン)を装着します。神経を抜いたあとの歯は、元の歯に比べて脆くなっているため、歯に負担をかけないように金属の土台を入れ、その上に被せ物(クラウン)を装着します。

保険治療か自費治療かによって被せ物(クラウン)の素材は異なるため、歯科医師としっかり相談して、ご自身に合う被せ物(クラウン)を選びましょう。

神経を抜いたのに歯が痛む場合は

神経を抜いたのに歯が痛む女性

神経を抜いたにもかかわらず歯が痛む場合には、以下の2つの原因が考えられます。

歯根の先に膿がたまっている

神経を抜いたあとに歯髄腔を消毒・閉鎖しても、被せ物(クラウン)の経年劣化によって、歯の中に再び細菌が入り込む場合があります。細菌が増殖すると、歯の根の先で炎症が起きて膿がたまり、痛みが強くなっていきます。

このような症状がある場合は、早めに歯科医院で治療を受けたほうがよいでしょう。

歯根膜炎が起きている

神経を抜いた歯が痛む原因のひとつに歯根膜炎があります。歯根膜炎には感染性と非感染性の2種類があり、感染性歯根膜炎は細菌感染によって歯の神経や周辺組織に一時的に炎症が起こる病気です。

それに対して非感染性歯根膜炎は噛み合わせの悪さが原因で炎症が起こる病気です。噛み合わせの悪さは顎関節症の原因にもなり、頭痛や肩こりなど全身に影響を与える可能性もあるため、注意が必要です。

まとめ

歯の神経を抜く治療をしている人

本記事では、歯の神経が痛い原因や神経を抜くメリット・デメリットについて解説しました。

歯が痛くて日常生活にも支障が出ている場合、歯の神経を抜くことで痛みから解放されるでしょう。

しかし、神経を抜いた歯は脆くなったり、痛覚もなくなるため歯の異変に気づきにくくなったりと、さまざまなデメリットがあります。なるべくなら神経を抜かずに治療ができるように、虫歯が発生したら早めに治療を受けましょう。

根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。