こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。

「虫歯の治療をしたのに、また同じ場所が痛くなってきた」「詰め物（インレー）の周りが黒くなっているような気がする」と思っている方もいるでしょう。虫歯を一度治療した歯でも、再び虫歯が発生することがあります。

この現象は決して珍しいものではなく、歯科治療を受けたことがある方であれば誰にでも起こり得ます。

この記事では、虫歯が再発する二次カリエスの基本的な知識から原因、リスクが高い方の特徴、そして効果的な予防方法を解説します。この記事を参考に、適切なケアと予防を実践してください。

二次カリエスとは

二次カリエスとは、虫歯治療をした歯に再び発生する虫歯のことです。通常、虫歯の治療では虫歯菌に侵された部分を除去し、その部分を補うために詰め物（インレー）や被せ物（クラウン）で修復します。

しかし、修復物と歯の境界部分は複雑な形状をしているため、通常の歯ブラシでの清掃が難しく、細菌が繁殖しやすい環境となります。また、これらの修復物と歯の間にわずかな隙間が生じることがあり、この隙間に汚れや細菌が蓄積して二次カリエスが発生します。

一次カリエスが歯の表面から進行するのに対して、二次カリエスは修復物との隙間から内部へと進行します。そのため、見た目には問題ないように見えても、内部で虫歯が進行していることが少なくありません。

特に、金属製の修復物は内部の状態を確認することが困難で、虫歯部分が覆い隠されているため、非常に発見しにくいです。また、初期段階では痛みや違和感といった自覚症状がほとんど現れず、神経を抜いている歯の場合は痛みを感じにくいため、さらに見逃されるリスクが高まります。

このような理由から、二次カリエスは発見が遅れやすく、患者さん自身が気づいたときには進行していることが少なくありません。

二次カリエスの原因

二次カリエスの発生には複数の要因が複雑に絡み合っています。これらの原因を理解すれば、効果的な予防策を講じることが可能になります。

修復物の劣化と適合不良

修復物の劣化は、二次カリエス発生の最も重要な原因の一つです。詰め物（インレー）や被せ物（クラウン）は一度装着したらずっと使えるものではなく、時間の経過とともに劣化していきます。

例えば、金属製の修復物の場合、食事の際などの熱で膨張と収縮を繰り返すことで歯との間に微細な隙間が生じるケースがあります。隙間は肉眼では確認できないほど小さなものですが、細菌にとっては十分な侵入経路となります。

また、レジン系の詰め物（インレー）では、材料の収縮や摩耗により辺縁部の適合が悪くなることがあります。

セメントの劣化や剥離

詰め物（インレー）や被せ物（クラウン）を固定するために使用される歯科用セメントも、長い年月をかけて劣化することがあります。セメントが部分的に剥がれると、そこから虫歯菌が内部に侵入しやすくなります。

治療から5年以上経過している場合には、このような劣化リスクが高まると考えられます。

日常のケア不足

口腔内に存在するミュータンス菌などの虫歯原因菌は、糖分を代謝して酸を産生し、歯質を溶かすことで虫歯を引き起こします。

修復物と歯の境界部分は、形状が複雑で清掃が困難なため、細菌が定着しやすい環境となります。特に、歯と修復物の素材の違いにより、金属表面では細菌の付着は少ないものの、歯との境界では細菌が蓄積しやすくなります。

そのため、歯磨きが不十分であったり、歯間ブラシやフロスを使用していなかったりすると、補綴物の周囲にプラークが溜まりやすくなります。

二次カリエスになるリスクが高い方

自分がどの程度のリスクを持っているかを理解することで、より効果的な予防策を講じられるでしょう。

過去に虫歯治療を何度も受けている方

過去の歯科治療で口腔内に多くの修復物が存在する方は、それぞれが二次カリエス発生源となるため、二次カリエスのリスクも高くなります。特に、若い頃に多くの虫歯治療を受けた方は、修復物の経年劣化により中高年以降に二次カリエスが多発する傾向があります。

また、根管治療（神経の治療）を受けた歯では、歯質が脆くなっているため、修復物との境界で問題が生じやすくなります。さらに、過去に応急処置的な治療を受けたまま放置している歯がある方や、治療を中断した歯がある方は、二次カリエスが発生しやすいです。

甘いものを頻繁に摂る方

甘いものは、虫歯菌の栄養源となります。摂取頻度が高いと、お口の中が酸性になる時間が長くなり、歯が溶けやすくなります。これは、修復物の周囲の天然の歯にも影響を与え、二次カリエスのリスクを高めます。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、歯や修復物に過度な負担がかかり、微細なひび割れや適合不良を引き起こしやすくなります。これにより、細菌が侵入しやすくなり、二次カリエスのリスクが高まります。

定期検診を受けていない方

歯科医院での定期的なメンテナンスを受けていない方も、二次カリエスの発見が遅れ、症状が進行しやすくなります。自覚症状が現れたときには、虫歯が進行している場合が多く、治療も大がかりになる可能性があります。

年齢を重ねた方

加齢とともに二次カリエスのリスクは増加します。単純に修復物の使用年数が長くなることだけでなく、生理的な変化も関与しています。

唾液の分泌量は加齢とともに減少し、口腔内の自浄作用や緩衝能力が低下します。また、歯茎の退縮により歯根面が露出すると、この部分は虫歯になりやすくなります。

さらに、服薬の影響も考慮する必要があります。薬剤の中には唾液分泌を抑制する副作用を持つものがあり、これが口腔内環境の悪化を招くことがあります。

二次カリエスを予防する方法

二次カリエスは、正しいケアと定期的な管理によって予防が可能です。以下に、予防のポイントを詳しく解説します。

丁寧なセルフケアを継続する

毎日の歯磨きでは、修復物の境目や歯と歯の間を意識して清掃することが重要です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスも積極的に使用して、プラークをしっかり取り除きましょう。

また、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、虫歯予防効果を高められます。

定期的に歯科医院で検診を受ける

治療した歯ほど、プロによるチェックが欠かせません。歯科医院では、肉眼では見えないような小さな隙間や虫歯の兆候を早期に発見することができます。

定期的なメンテナンスによって、被せ物（クラウン）や詰め物（インレー）の状態を確認し、必要に応じて修理や再治療を行うことが予防につながります。

精度の高い治療を受ける

虫歯治療を受ける際には、できるだけ適合性の高い材料や精密な治療を提供する歯科医院を選ぶことも予防の一環です。例えば、細菌や汚れが付着しにくく精密な修復物が作製できるセラミックなどの素材を選択することで、二次カリエスのリスクを減らせます。

食生活を見直す

間食の回数を減らし、砂糖を多く含む飲食物を控える習慣を身につけましょう。また、キシリトール入りのガムなどを活用することで、唾液の分泌を促し、口内環境を中性に保てます。

まとめ

二次カリエスは、気づかぬうちに進行する虫歯の再発です。詰め物（インレー）や被せ物（クラウン）の下で静かに広がるため、痛みが出たときにはすでに手遅れということもあります。

予防のためには、丁寧なセルフケアと定期的な歯科受診が欠かせません。また、質の高い治療を選択することも、再発リスクを減らす大切な要素です。

「また虫歯になったらどうしよう」と不安に思う前に、今のうちから対策を始めて、健康な歯を長く守っていきましょう。

二次カリエスかもしれないとお考えの方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療をはじめ、根管治療や小児歯科、矯正治療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。