根管治療中の食事ガイド!治療中・後の食事と注意点
こんにちは。東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院です。
歯の根の中をきれいにする根管治療は、歯科治療の中でも治療期間が長い傾向にあります。根管治療中は「硬いものを避けてください」「仮蓋が取れないように」など、さまざまな注意を受けることがあるかと思います。
そのため、根管治療中・治療後はどんな食事をすればよいかお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、根管治療中・治療後の食事はどのようなものがいいのか解説します。根管治療中・治療後の食事に関する注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
根管治療とは
根管治療とは歯の根の中をきれいにする治療のことで、以下の2つの治療法のことをいいます。
抜髄
抜髄(ばつずい)とは、歯の神経を取り除く治療のことです。
大きな虫歯や外傷などで神経に炎症が起こると、何もしなくてもズキズキと強い痛みが出ることがあります。このような場合、根管内の神経を取り除かなければ痛みは治まりません。
一般的な抜髄の手順は、以下の通りです。
- 麻酔をして虫歯を取り除く
- 歯の神経を露出させて歯の神経や汚染物を取り除く
- 根管内を洗浄・消毒する
- 最終的な薬を詰める
歯の根管内は複雑な形をしているため、根管治療が1回で終わることはありません。根管内の炎症が治まり、最終的な詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が入るまでは1ヵ月程度かかるのが一般的です。
根管治療は歯科治療のなかでも難しい治療で、炎症の具合によってはこの治療期間よりも長くかかる場合もあります。
感染根管処置
感染根管処置とは、一度根管治療をした歯を、再度根管治療することです。
根管治療後は詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)をしますが、根管治療の後に再度違和感や痛みが出る場合もあります。これは、歯の根の形はまっすぐではなく複雑な形をしているため、炎症を起こした根管内を100%無菌状態にするのは難しいためです。
根管治療後に症状が出た場合、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を外し、再度根管治療を行います。一度根管治療を行った歯は神経がないため、抜髄とは違って麻酔をしないこともあるでしょう。抜髄と同じように、何度か根管を洗浄・消毒し、最終的な薬を詰めます。
しかし、根の先や枝分かれした部位にまで到達した細菌や汚染物を取り除く必要があるため、感染根管処置は治療期間が長くかかる傾向にあります。感染根管処置で症状が治まらなければ、抜歯が必要になるかもしれません。
根管治療での食事における注意点
根管治療での食事における注意点は、以下の4点です。
硬いものを噛まない
根管治療中の歯で硬いものを噛んではいけません。
根管治療中の歯は大きな虫歯になっていることが多いです。そのため、歯の大部分を削っていることが多いでしょう。また、歯の神経を洗浄・消毒をしている最中の歯は、根管内が空洞になっているため、歯がもろい状態です。
そのため、根管治療中の歯で硬いものを噛むと、歯が大きく欠けたり割れたりすることがあります。歯の割れ方によっては、歯を残すことが難しく、抜歯せざるを得ないこともあるのです。
そのため、根管治療中の歯では、ナッツやフランスパン、イカ、硬いせんべいなど、食べ応えのあるものは避けましょう。
粘着質のある食べ物は避ける
根管治療中、次の治療までの間は仮蓋で過ごします。なぜ仮蓋が必要かというと、歯に蓋をしなければ根管内に唾液や細菌が入り込み、炎症が起こる場合があるからです。
根管治療中はできるだけ細菌の侵入を防ぎ、清潔な状態を保たなければいけません。そのため、根管治療中は仮蓋で歯を保護しますが、仮蓋は粘着質のあるものを食べると外れる可能性があります。根管治療中はキャラメルやガム、お餅などの粘着質のある食べ物は避けてください。
これは、根管治療中の仮歯でも同じです。前歯は仮蓋ではなく仮歯を装着するのが一般的ですが、仮歯も根管治療の際には外れるようにやわらかめの接着剤で接着します。特に前歯の仮歯の場合、粘着質のあるもの以外に食べ物を強く噛み切る動きも仮歯が外れやすくなる要因です。
そのため、前歯の根管治療中は粘着質のあるものだけでなく、パンなどを引っ張りながら食べることも避けましょう。
麻酔が切れたのを確認してから食事する
抜髄や歯の炎症がひどい場合には麻酔を使用するケースがあります。麻酔が効いたまま食事をすると、頬や舌を噛んだり火傷したりしても気付かず、お口の中を怪我することがあるのです。麻酔は1〜2時間後には切れますが、麻酔の効き具合には個人差があります。
そのため、根管治療で麻酔を使用した後は、必ず麻酔が切れてから食事をしましょう。
仮蓋後は30分〜1時間空けて食事する
根管治療中に使用する仮蓋は、通常固まるまでには30分〜1時間程度かかるのが一般的です。
完全に固まるまでに時間がかかりますので、根管治療後すぐに食事をするのは避けましょう。
根管治療中の食事はどのようなものがいい?
先述した通り、根管治療中は歯がもろい状態のため、硬い食事は極力避けなければいけません。また、仮蓋をしていますので、粘着質のある食べ物も避けましょう。
ここでは、根管治療中の食事はどのようなものがいいのか、またどのようなものは避けたほうがいいのか解説します。
やわらかい食事を摂る
根管治療中の歯で硬いものや食べ応えのあるものを食べると、歯が割れる可能性があります。
そのため、以下のようなやわらかく煮込んだ食事がよいでしょう。
- 肉じゃがやポトフなどの煮込み料理
- うどんなどの麺類
- 魚の煮つけ
- リゾットやあんかけ
栄養バランスが悪くなると、免疫力が落ち、根管治療中の歯の状態が悪くなる可能性があります。そのため、肉や魚、野菜などを柔らかく煮込み、栄養バランスのとれた食事を心がけてください。
もし、噛み応えのあるものを食べる際は、一口サイズに切り分けるなどの工夫をするのもよいでしょう。
刺激のある食事は避ける
根管治療中に冷たいものや熱いものを食べると、刺激によって痛みが出る場合があります。また、香辛料やスパイスが効いた食事も同様です。根管治療中の歯はデリケートな状態ですので、刺激のある食べ物は避け、やさしい食事を心がけてください。
アルコールは控える
アルコールを摂取すると血行がよくなり、痛みが増したり症状が悪化したりする可能性があります。
反対に、タバコは血流を悪くする作用があるため、治療後の治りを遅くすることがあります。アルコールやタバコは体だけでなく歯にも悪影響を及ぼす可能性があるため、根管治療中は避けましょう。
根管治療後の食事はどのようなものがいい?
根管治療で歯の炎症が治まれば、最終的な薬を詰め、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で歯を修復します。詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で歯を補修しても、根管治療後の食事には十分に注意しなければなりません。
ここでは、根管治療後の食事で気を付けたい2つのポイントについて解説します。
噛み応えのある食事は避ける
そもそも、私たちが食べ物の噛み応えを感じるのは、歯の周りにある歯根膜というクッションがあるからです。歯根膜があることで硬いものは強く、やわらかいものはほどほどの力でというように、私たちは自然に力加減を調整して食べ物を咀嚼しています。
しかし、歯の神経を取り除くことで感覚が鈍くなるため、根管治療後の歯は噛み応えを感じにくくなります。そのため、根管治療後すぐに噛み応えのあるものを食べると、強く噛みすぎてしまい、違和感や痛みが出ることがあるのです。
基本的には根管治療後に食事制限はありませんが、根管治療後しばらくはやわらかい食事から始めるのがよいでしょう。根管治療中と同じく、やわらかい煮込み料理や麺類などを食べましょう。
普通に食事をしてみて症状が出ないようであれば、徐々に噛み応えのある食事に移行してください。
極端に硬い食事は避ける
根管治療後に詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)をしても、歯が元通りになったわけではありません。歯の形や噛む機能は回復できていますが、神経を取った後の歯は健康な歯よりももろい状態です。
そのため、普段の食事では問題なくても、極端に硬いものを噛むと歯が欠けたり割れたりすることがあります。ナッツやフランスパンなどの極端に硬い食べ物は避け、根管治療後の歯に負担をかけないような食事を心がけましょう。
また、硬いものを噛んだ刺激により、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が外れることもあります。詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が外れたまま放置すると、歯が割れたり、新たに虫歯になったりする可能性があります。
外れた詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)は保存し、なるべく早く歯科医院を受診することが大切です。
まとめ
根管治療中の歯はもろい状態ですので、硬いものを食べると歯が割れる可能性があります。また、仮蓋が外れて症状が悪化する可能性もあるため、粘着質のあるものも避けましょう。
詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が入った根管治療後にも、極端に硬いものを食べると歯が割れたり、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)が外れたりする可能性があります。
根管治療を受けた後はなるべく硬いものを避け、歯にやさしい食事を心がけてください。
根管治療を検討されている方は、東京都文京区「江戸川橋駅」より徒歩1分にある江戸川橋菊地歯科医院にお気軽にご相談ください。