成人の歯科矯正治療について説明
こんにちは。
文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は、成人の歯科矯正治療について説明します。
日本における歯科矯正事情
日本国内における矯正治療のニーズは少しずつ増えています。
現在、年間約30万人の方が矯正治療を受けています。一方、「歯並びは笑顔の印象を左右しているか」という質問に対して、85%程度の日本人は「左右される」と答えていますが、実際に矯正治療を受けるのは21%の患者さんだけです。矯正が盛んな国アメリカでは約50%の人が矯正治療を受けるそうです。なぜ日本では矯正治療が普及しないのか。
日本人が矯正治療を受ける際、歯並びが揃って嬉しいと感じる人は37%程度です。アメリカでは76%が嬉しいと感じています。普及が伸び悩む要因として、「見た目の問題」や「痛い」というネガティブな感情があるようです。
実際、どのような矯正治療なら受けたいかという質問に対して、「目立ちにくい矯正治療」を希望する人が最も多く、その次に「違和感が少ない矯正治療」、「痛みが少ない矯正治療」という順番になっています。
日本人に最も多い歯列不正は?
日本人に最も多い歯列不正として「叢生」というものがあります。
前歯の歯並びがガタガタしている状態で、顎骨の大きさが小さいため、そこに歯が生えてくると十分なスペースが足りず、歯と歯が重なり合って生えてしまう現象です。
矯正治療はどんな種類があるのか?
①MTM矯正
Minor Tooth Movementの頭文字をとった矯正治療で、全体的なものではなく部分的な矯正治療になります。
例えば、一本だけ歯がねじれている場合や前歯の数本の歯並びを限局的に治療する場合はMTM矯正が適応になります。メリットとしては、数本の治療であるため治療期間が短いこと。全体的な矯正治療に比べて治療費が安価なことが挙げられます。
②ワイヤー矯正
通常イメージさている矯正治療です。
歯にブラケットと言われる金属製またはセラミックタイプの器具を装着して、歯並びをきれいにします。歯の表側に金具をつける場合と裏側につける場合があり、「見た目が良好」、「治療期間が長くなる」、「費用が高くなる」というのが裏側につける舌側矯正の特徴と言えます。どちらもこの後出てくるマウスピース矯正と比較すると、適応範囲が広く取り外しの必要がありません。
また痛みや見た目の問題に加えて歯ブラシがしにくいというデメリットからワイヤー矯正を始めて1年経過すると、約4割の患者さんに虫歯が見つかるという研究もありますが、治療期間は短くなります。
③マウスピース矯正
透明のプラスチックの型を1~2週間に1度くらいのペースで交換し、少しずつ歯並びを変えていく治療です。
治療中のトラブルが少なく、痛みもワイヤー矯正と比較してすくないです。メリットは、矯正治療の器具が透明なので目立ちにくいという点、食事中は器具を取り外すことができることです。国内では、インビザラインやシュアスマイルなどが有名ですが、その他にもいろいろな商品名をつけたマウスピース矯正が存在します。
まとめ
今回は、成人が行う矯正に焦点を当てて説明しました。
患者さんによって、それぞれの要望が異なるため、一概にどの矯正治療がオススメと言えるわけではありません。矯正治療は見た目だけでなく、虫歯や歯周病になるリスクを下げるとも言われているため、気になったらかかりつけの歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか?
今回もここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。