歯の根っこの先端の病気「根尖病変」

こんにちは。文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は「なぜ、歯の根っこ(歯根)の病気ができるのか」について説明します。

すべての原因は細菌感染

歯の根っこ(以下、歯根)の先に病気ができることを「根尖病変」や「根尖性歯周炎」と専門用語で言います。
この歯根の病気には、原因となるものが存在します。それがお口の中の唾液に含まれている細菌です。当然のことですが、ヒトの唾液には必ず細菌が含まれています。この細菌が歯の中にある神経に直接または間接的に触れてしまうことで、歯の神経に感染が引き起こり、歯根に病気ができてしまいます。

唾液に含まれる細菌はどのように神経に感染するのか?

歯の神経に細菌が感染するためには、いくつかの条件があります。
最も頻度が多いのは、虫歯が進むことで引き起こされる、歯の神経の感染です。通常、歯の表面は人体の中で最も硬い組織であるエナメル質で覆われています。このエナメル質が様々な要因で壊されてしまったり、加齢とともに歯肉が下がることで、本来は覆われていた象牙質が露出してしまうことで、神経は感染を引き起こします。人間の歯はエナメル質の下に象牙質が存在し、その更に下に神経が存在する3層構造になっています。
エナメル質が破壊されて象牙質がみえるようになると、象牙質の中にある象牙細管というとても細い管を伝わって、唾液に含まれる細菌が時間をかけて神経まで到達します。
この他にも、「エナメル質にひび割れ」を起こしたり、「歯周病が重度に進行する」ことで、頻度は低いまでも神経に感染を引き起こすことがあります。

神経が感染するとどんな症状が出るのか?

歯の神経には、鋭い痛みを感じる神経と鈍い痛みを感じる神経の2つの神経が含まれています。
神経に細菌が到達し、神経が感染を引き起こすと
「冷たい物がしみる」
「温かいものがしみる」
「噛むとひびく気がする」
という症状が始めに起こり、最期の段階では「何もしなくても痛い」という自発痛の症状が出るようになります。この時が痛みのピークとなり、夜中に強い痛みが出るようになります。
この状況がしばらく続くと、今度は症状が次第になくなるため治ったのだろうかと勘違いしてしまうこともありますが、実際は細菌感染が歯根の先まで徐々に及んでいきます。

ついに歯根の先に病気ができる!

前置きは少し長くなりましたが
「虫歯」
「歯ぎしりなどが原因の歯のひび割れ」
「歯周病」
「加齢変化による象牙質の露出」
などが原因で神経が感染すると、歯の痛みが出現します。
その痛みが激痛になれば、歯医者さんに行って神経を取ってもらいます。しかし、痛みを我慢していると症状が次第になくなり、痛みはほとんどなくなります。その間に感染はどんどん進行し、歯根の先端まで及ぶことで、やがては歯根の先に膿の袋(病変)をつくり出してしまうのです。

歯根の病気を予防するためには、どうすればいいのか?

歯根の病気を予防するたには、これまで述べてきた歯の神経への感染を防ぐことがとても重要です。「虫歯」、「歯のひび割れ」、「歯周病」は歯科検診で見つかることが多いです。日々の歯磨きや定期検診に行くことで、歯の寿命を延ばすことができます。

まとめ

今回は、歯の神経がお口の中の唾液に存在する細菌により、感染を引き起こすことで、やがては歯根の先に病気を作り出してしまうというお話をさせて頂きました。
歯の神経は極力とらない方が歯の寿命が延びます。そのためには、歯の定期検診が非常に大切です。現在、歯の神経に違和感がある、神経の治療を始めたが、なかなか終わらない、歯が浮いているような気がして噛めないなど、ご自身の歯に違和感を感じている方がいれば、当院に是非ご相談下さい。

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