SAS

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する症状を繰り返す状態を指します。この症候群では、1時間の睡眠中に無呼吸または低呼吸のエピソードが5回以上発生することが一つの基準です。さらに、いびきや夜間の頻尿、昼間の過度の眠気、起床時の頭痛、疲労感、倦怠感などの症状が見られる場合に、診断が下されることがあります。

この病気は心血管系や脳血管系の病気、糖尿病など様々な健康問題のリスクを高めます。また、精神的な健康にも影響を及ぼし、うつ病を引き起こすこともあります。

主な原因

睡眠時無呼吸症候群には複数の原因がありますが、日本では顎の小ささが約40%のケースで関与しているとされています。肥満も約35%のケースで影響を及ぼしており、扁桃腺の肥大が約20%の原因です。一般的に肥満が主な原因とされていますが、日本人の多くでは顎の小ささが主要な要因となっていることが明らかになっています。

国内における潜在的な睡眠時無呼吸症候群の患者数は、約1000万人から1200万人と推定されており、多くの人がこの症状に悩まされていることがうかがえます。

治療の種類

ソムノメッド社の新型オーラルアプライアンス(OA)についてご紹介します。この新型モデルは、従来のソムノデントMASを改良し、サイズを30%縮小しながらも、耐久性を20%向上させました。さらに、顎を左右に動かせる機能が追加され、お口を大きく開きすぎることを防止します。装着中でも会話や咳、くしゃみが可能で、鼻が詰まった際には口呼吸もできます。また、効果が不十分な場合には、顎の位置を簡単に調整することで、効果を向上させることができます。この新型OAは、2年6ヶ月の保証期間が付いています。

まずは検査を

Step1

患者様のご自宅で睡眠時無呼吸症候群の検査が行えるモニターセットをご提供しています。このセットには、検査用の機器と睡眠に関するアンケートが含まれています。検査では、鼻に装着する呼吸センサーを使用して睡眠中の呼吸状態を監視し、指先に装着するセンサーで血中酸素飽和度や脈拍数を計測します。さらに、胸部にセンサーを装着していびきの音量や睡眠中の体の姿勢も確認することができます。

検査はご自宅で行うため、就寝前に自分で機器を装着し、起床後には機器を取り外してアンケートに回答後、セットを返却していただきます。この検査には痛みは伴わず、食事制限も必要ありません。普段どおりの生活を続けながら検査を受けることができます。

Step2

検査機器をお返しいただいた後、結果を約10日でお伝えいたします。睡眠時無呼吸症候群の可能性がある場合は、お住まいの地域の専門の医療機関をご紹介します。専門医療機関では、より詳細な精密検査を行い、患者様の睡眠状況を正確に把握し、適切な治療計画を立てる手助けをします。

治療の流れ

Step1 問診・口腔内検査

患者様の具体的な悩みを詳しく伺った後、レントゲンで口腔内の状態を診断します。この検査を通じて、むし歯や歯周病などの問題が確認された場合は、適切な口腔環境を整えるためにまず治療を実施します。

Step2 治療計画のご説明

検査結果を基に、患者様に治療計画を提案いたします。治療は保険適用か自由診療かを選択していただき、患者様のご希望に応じて進めてまいります。保険適用を希望される場合は、連携している医療機関を紹介し、そちらからの紹介状を持って再び当クリニックに来院していただく流れとなります。

Step3 型取りと顎の位置決め

歯の状態やかみ合わせを正確に評価するため、光学印象による精密な型取りを行います。さらに、マウスピースが最も効果的に機能する位置を特定するため、顎の動きを詳細に計測し、そのデータを記録します。

Step4 OAの製作

患者様に適したマウスピースを提供するため、専門のラボラトリーで製作を行っています。

Step5 完成・効果測定

マウスピースの正しい装着方法とお手入れ方法をご説明した後、患者様にお渡しします。ご自宅でその日の夜から使用を開始していただきます。使用開始後約1ヶ月後には、使用状況をチェックするためのフォローアップを行います。毎晩の使用がスムーズに行えるようになったら、その効果を評価するための検査を実施します。