抜歯したらどんな治療ができるのか?(欠損補綴)
こんにちは、文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。
今回は、もし抜歯になってしまい、歯を失った後どのような治療があるのか?について説明します。
目次
抜歯になる原因
日本人が抜歯に至る原因として、第1位は歯周病、第2位は虫歯、第3位は破折(歯にひび割れを起こすこと)です。
当院では、限りなく歯を残す治療を心掛けて治療を行いますが、それでも最終的に抜歯になってしまうこともあります。抜歯を行った後の治療法には、どのような選択肢があるのでしょうか?
① 義歯(入れ歯)
入れ歯の歴史は古く、1800年頃のヨーロッパでは、象牙や動物の骨を利用して入れ歯を作っていたようです。日本では、室町時代に木材を削って入れ歯を作っていたという報告があります。現代では材質が良くなり、人工の歯を装着して見た目にも、入れ歯を入れていると分からない材質で審美性の高いものも作られています。
入れ歯のメリットとデメリットです。
【メリット】
①取り外して、洗浄しやすい。
②土台となる歯を大きく削らなくてよい。
③多数の歯がなくなっても作ることができる
【デメリット】
①噛む力が天然の歯より70%程度低下する
②物がつまることがある
③審美性が低い
② ブリッジ治療
ブリッジは名前の通り、両側に天然の歯があり、歯が無くなった部分を人工の歯で補う治療です。抜歯した後に、最も多くすすめられることが多い治療です。
【メリット】
①完全に固定されるので天然の歯の状態と比較して20%程度しか噛む力が低下しない
②大きな手術が不必要。
【デメリット】
①天然の歯を50%程度削ってしまう
②神経が生きている歯を削った場合、将来的に神経が死んでしまうことがある
③歯ブラシをすることが難しい
③ インプラント治療
1960年代から臨床応用されるようになったインプラント治療は、人工歯根とも呼ばれチタン製のスクリューを顎の骨の中に埋入し、その土台に対してクラウンという歯をつける3層構造になっています。
【メリット】
①よく噛むことができる
②隣にある天然歯を削らない
③審美性に優れている
【デメリット】
①外科的治療が必要になる
②保険適応にならない
③治療費が高価④治療期間が長い
④ 自分の歯を使った移植治療
これは誰にでも適応になる治療ではありませんが、自家歯牙移植と言われ、例えば親知らずを抜いてしまった奥歯の代わりとして移植するという治療です。
どのくらい使うことができるのか気になる方も多いと思います。文献として、5年生存率90.1%、10年生存率70.5%、15年生存率55.6%という報告があります。
【メリット】
①インプラント治療と違い、自分の天然の歯を使うことができる
②隣の歯を削ることがない。
【デメリット】
①適応範囲が狭い
②外科的治療が必要になる
③生存率に個人差が大きい
まとめ
今回は抜歯になってしまった後の治療法を4つ説明しました。それぞれの治療にメリットとデメリットが存在します。どの治療法を選択しても正解はなく、それぞれの患者さんの状態に合わせた治療が最善の治療だと思います。当院は、患者さんのご希望を丁寧にカウンセリングして、その方に合ったベストな選択肢を一緒に考えさせて頂きます。
是非、ご相談ください。
今回もここまでお読み頂きまして、ありがとうございました。