ゴールドによる歯科治療はなぜ良いのか?
こんにちは。文京区関口にある江戸川橋菊地歯科医院です。今回は歯科材料がこんなに進歩を遂げているにも関わらず、いまだに一目おかれるゴールド(金)を使用した歯科治療のメリットについて説明します。
目次
ゴールドの数多くのメリットとは?
ゴールドは昔から金歯として日本人には馴染みのある材料だと思います。
一方でゴールドに対するイメージは「目立つ」、「成り金」など歯を白く治療したいと望む患者さんからは、あまり良いイメージはないかもしれません。現在、様々な歯科材料が改良され普及してきていますが、ゴールドの最大のメリットは「長持ちする」ということです。よく患者さんにゴールドで治療すると、どのくらい持つのかという質問を受けます。答えは何年です。と明言できるわけではありませんが、これまでの歴史からゴールドによって治療を受けた歯が30~40年はおろか、更に長いものでは60年の間一度も治療のやり直しがなく、長持ちしているという報告が多数あります。
「見た目の美しさ」と「機能的に長持ち」どちらを優先させますか?
「見た目」や「治療費が高い」などのデメリットはさて置き、メリットは数多く存在します。
「再び虫歯になりにくい」
ゴールドには展延性という性質があります。そのため材料自体が伸びて、歯とゴールド間に虫歯菌が侵入する隙間をつくりません。一方、銀歯は辺縁から少しずつ欠けてしまうため、二次虫歯と言って詰め物と歯の間に隙間ができてしまい、そこから虫歯菌が侵入して詰め物の下に虫歯ができてしまうことがあります。
「びび割れ、折れるということがない」
金属はレジンやセラミックのように、割れたり、欠けたりすることがありません。
「唾液の酸で腐食、変色しない」
通常の歯科治療で用いる白い材料であるレジンには吸水性と言って、時間が経過するにつれて材料が水分を吸収してしまい変色してしますことがありますが、ゴールドはそのようなことがありません。
「お口の中で酸化しない」
銀歯とは違い、貴金属であるゴールドは酸化しにくいため、歯や歯ぐきが黒く変色することがないため、いつまでも安定した状態でお口の中で機能することができます。
「対合歯(咬み合わせる反対側の歯)をすり減らさない」
ゴールドは天然の歯とほぼ同じ硬さをしています。そのため、セラミックや銀歯など天然の歯よりも硬い材料で噛み合わせることで、経年的に天然の歯の方が削れてきてしまいます。ゴールドは天然の歯と同等に経年的に減っていく材料です。
「金属アレルギーの心配が少ない」
銀歯は、様々な金属が合わさってつくられています。その中でも、パラジウムという金属がアレルギーを引き起こしやすいと言われています。
また「アマルガム」と言って、水銀を主成分とした金属による歯科治療も水銀が少しずつ体内に流出していくため、健康面で安全な材料とは言えません。一方、「ゴールド」にはパラジウムや水銀などのアレルギーの原因となりやすい金属が含まれていないため、ゴールド自体にアレルギーがない方には安心、安全な材料です。
まとめ
ゴールドが一般的に嫌がられる理由としては、「見た目」と「治療費が高い」ということではないでしょうか。
患者さんの価値観はそれぞれだと思いますし、患者さんが納得して受ける治療が最良であることは間違いありません。しかし、歯は何回も削れるというわけではないため、できるだけ長持ちする材質で治療を受けることで、結果的には歯の神経を温存し、治療回数も減らすことができるため長い目でみれば、とても経済的だと思います。
当院では、治療をする前に必ず治療の選択肢を提示させて頂きます。その中で最良と思う治療をご自身で選択して頂ければと存します。
今回もここまでお読み頂き、ありがとうございました。